塩昆ブルース
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どんどんが次に発表した曲『塩昆ブルース』は爆発的ヒットになり、どんどんはスターになりました。
しかし、その頃からどんどんは以前よりご飯が美味しくなくなってしまいました。大好きなうどんも天丼もカツ丼も、それほど美味しいとは思いませんでした。
それに、どんどんは沢山の人々から沢山の拍手をもらいましたが、拍手もそれほど嬉しくなくなってしまいました。
いつの間にかどんどんは、いただきますも、ありがとうも言わなくなりました。
「……もうやめたい……。」
どんどんがそう弱音を吐くと、社長のおじさんは大きな声で言いました。
「今さらやめるだって?!どんどんがいなくなったら誰が歌うんだよ!どんどんが歌わなければ私達は生きていけないんだよ?」
「それは困る……。」
そう言われると、それは困ります。
社長のおじさんはどんどんを元気づけようと、今度は優しく言いました。
「それに、陸にあがったどんどんを拾ってくれた陸君や、歌を聞かせてくれたおじいさん、ショーをやらせてくれた水族館の館長、みんなのおかげで今のどんどんがあるんだ。みんなのためにも、もっとがんばろう!」
みんなの…………ため?
「陸はどんどんが拍手をもらったら嬉しいの?」
「それは嬉しいとも!どんどんがどんどん有名になったら、陸君もおじいさんもきっと嬉しいはずだ!」
「それならがんばる!」
その言葉に、どんどんはしばらくは頑張りましたが、どんどんどんどん元気が無くなっていきました。
元気の無くなってゆくどんどんに、困り果てた社長のおじさんは、陸に会いに行く事を許してくれました。
社長のおじさんの車で陸の家へ向かうと、懐かしい風景に、どんどんはどんどんどんどん元気になりました。
車のラジオからは、どんどんの『塩昆ブルース』が流れていました。
陸の家の前に着くと、家の前で陸が待っていました。
「陸!」
「どんどん!」
「陸!久しぶり!!」
陸少年はどんどんの様子に驚きました。派手なスーツに悪趣味なネクタイ、サングラス。以前のどんどんとは全くの別人のようでした。
「本当にどんどんなの?」
「本当にどんどんだよ。」
どんどんはすぐに家の中に案内されました。
しかし、陸はずっと下を向いたままでいました。
こうしてどんどんは、久しぶりに陸と再会したのです。




