四、姫野由紀乃2
「彼氏なんて、男の人なんて、…。」
信用できない…。
由紀乃は、そのまま、眠りについた。
[起きろ、起きろ、朝だぞ!わぁうん!]
「うんー…、もう、朝かぁ。」
[わぁうん!]
「ワン太郎ちゃん、もういいよ〜。」
ポチッ。アラーム機能の、犬(?)型時計が、鳴りやんだ。
「学校、行くぞ♪」
由紀乃は、家を出た。
キーンコーンカーンコーン♪
「今日の授業は、終わりだ。」
山田先生、またネクタイ曲がってる。
「ん?姫野、先生の顔に何かついてるか?」
「いいえ♪」
「やけに嬉しそうだな。先生も嬉しくなるぞ、ワッハッハ。」
だって、顔じゃなくてネクタイだもん。ふふ。
(姫野の奴、今日変だな、元気を装おってる…っていうか。)
「先生、音楽部、行ってきます♪」
「そうかそうか!がんばれよ。ワッハッハ。」
「はい♪…。」
(やっぱり、変だよな…。)
キーンコーンカーンコーン♪
(いっけね!俺もサッカー部…。)
「…。ふふ。そんな昔のこと、思いだして…。私ったら。」
二人は、教室を後にした。
「由紀乃ちゃん?元気ないみたいよ?」
「あっ!佐野先生、私元気ですよ。ね☆」
「そう…、そうみたいね。」
「由紀乃、風邪でもひいたか〜。」
あっ!3年C組の、飯田夕美先輩。
「大丈夫ですよ。先輩☆」
「よっしゃ、その意気だ。うちら3年も、頑張らないとな。」
「だね、夕美。」
石野遥先輩だ。
「遥も風邪ひくなよ〜。」
「まるで私が、ひいてるみたいじゃないですか〜。」
「あれ?由紀乃、ひいてなかったか。」
「ひいてませんよ〜だ!」
「ははは。」
そう、こうやって、男の人なんて信用できないもん、女の人と…。