魔法を使うと
男は夢の中で美しい女性を助けた。
女性が何かを囁き、その直後に目を覚ますと、男は何故か魔法を使えるようになっていた。
人を傷つけるも助けるも自由自在で、誰にも魔法の存在を知られる心配はなかった。
男はすぐに仕事も辞めて毎日を好き勝手に過ごした。
ある日、男は喧しくドアを叩く音で目を覚ました。
「いったい何事だ?」
ドアを開けると、黒いローブを羽織った何人もの人間が立っている。
男が顔を出すと一番手前にいた中年のは、読めない文字の書かれた紙を広げて見せ、
「あなたを無免許で魔法を使った容疑で逮捕します」
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