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エースパイロットは転生者でした  作者: スカーレッドG
ヴェルサイユ撤退支援
24/46

20:戦場の昼食

食事のシーンを書くのは難しいので三度目の投稿です

昼食は至って質素なものだった。

食事は配給で賄われており、イギリスから送られた物資をフランス軍の調理班が作ってくれたのだ。

よくイギリスは飯が不味いと言われるが、それは近代…産業革命に入って人々が食事を作る時間を惜しんで働いていたという。その結果労働者階級の調理文化が簡素化されて必要以上に肉を焼いてしまったり煮込んでしまう風習が付いてしまった為に、イギリス全体の食文化が衰退したと言われている。

これはあくまでも通説だが、イギリス陸軍のジェームズ大尉曰くフランス軍の調理班の作る飯が美味いので、病み付きになりそうだと語っていたそうである。



「はいはい、順番に並んでーっ!!!今日は暖かいスープ付きだぞ!!!」



調理班のフランス軍の兵士がエプロンを付けて煮込んだ熱々の肉のスープを運んできた。

まず先に加藤飛行隊長が食器プレートを持って列に並び、それに続いて私達は食事を受け取りに行った。

食器プレートには炒めたコンビーフと付け合わせのビスケット、そしてオニオンスープが載せられる。

オニオンスープにはその名に恥じないぐらいに沢山のオニオンと人参が入っており、香辛料のスパイスが効いた味付けとなっている。



「んん~っ、美味いなぁ~!!牛肉なんて日本じゃあんまり食べる機会がないからな…」



加藤飛行隊長が炒めたコンビーフをスプーンで掬って美味しそうに頬張っている。

周りも椅子に腰かけて料理を味わっている。

次の出撃まであと15分…ゆっくり食べるわけにはいかないが、コンビーフはしっかり噛んでおこう。

炒めたとはいえ、コンビーフ特有のしょっぱさが口の中に広がってくる。



(…コンビーフも不味くはないんだがな………ん?ビスケットはあまり味がないのか………一つ試してみるか………)



コンビーフをスプーンで掬ってビスケットの上に載せて、その上にビスケットを被せてから口の中に入れると先程までほぼ無味だったビスケットが一変してかなり旨くなった。

これはいけるな!!!

あとビスケットは4枚あるので、残りもコンビーフを挟んでからよく噛んで喉にビスケットの破片が刺さらないように味わう。



ビスケットとコンビーフを食べ終えて、少し冷めたオニオンスープをゆっくりと飲み込む。

私は猫舌なので、スープは冷まさないと舌を火傷してしまう。

オニオンスープを胃の中に流し込んで残り5分、トイレを済ませてから再び弾薬と燃料を補充した戦闘機に乗り込む。



丁度、ジェームズ大尉の乗った戦闘機が私達が基地を離陸すると同時に入れ替わるように着陸していく。

次の戦闘もどうか上手くいきますように。



そう願ったが、現実はそこまで甘くないことを再度に渡って突き付けられる。

ドイツ軍の空中要塞の名で知られているヴェルトハイム級軍用飛行船がパリ上空に出現し、ヴェルサイユ宮殿への砲撃を開始しているのを目撃したからだ。

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