四話 友達
ピルルルルルル、ピルルルルルル。
変態がでました、変態がでました。
皆、一斉に立ち上がった。
すると、ソルさんが口を開いた。
「今回は......だれが行くの?」
うーんっと彩華ちゃんは唸っている。
「ソル、ステラ、なっちゃんと澄川で行って。
澄川は見ているだけでいいから、経験として三人について行って。」
え、ええ僕? でも、見ているだけか、良かった・・・
「ボケっとしてないで、ほら、行く!」
そう彩華ちゃんは言って僕の背中を押した。
なんか、彩華ちゃんキャラが変わったような......
ああ! 急がなくちゃ置いてかれる。
ソルくんが僕を待っていてくれた。
「早く行かないと......置いて行かれるよ」
「待っててくれてありがとございます! ソルさん」
ソルさんは目を見開いて頬を赤らめながらもごもごと話し始めた。
「お、お礼を言われるほどの事してないし.......
あ、あと敬語じゃなくていい......ソルでいい」
何だか友達が出来たみたいで嬉しくなって僕は顔を綻ばせた。
そうするとソルくんが不思議そうな顔で僕を見た。
「何で、笑ってるの.....」
少し、ムスッとしながら言った。
お、怒らせちゃたかな?
「い、いや面白かったとかじゃなくて、嬉しかったか」
「ウレシイ.......?」
首を傾げてソルくんはそう言った。
「なんだか、友達になったみたいで嬉しくなって.......」
そう言うとソルくんは驚いて少しとび跳ねた。
「別に......友達になったみたいじゃなくて.......
お前がなりたいって言うならなってやってもいい.........」
「え、いいの? じゃあ僕と、と、友達になって!!」
「い、いいよ......」
ソルくんはずっと下を向いたまま動かなくなった。
体調が悪いのかな......?
「ソ、ソルくん? 大丈夫、体調悪いの?」
「別に......だ、大丈夫だし.......グズ、」
え、もしかして泣いてるのかな?
「泣いてるの?」
「ないでない.......」
「何をしているんだい?」
後ろ側から声が聞こえた。
あ、ああステラさんだ。僕、少し怖いから苦手なんだよな......。
「スデラ、どうじだの?」
ステラさんは少しため息をついた。
「どうして泣いているんだい......?
変態はナルが行ったから、心配しなくていいと思うよ。
来るのが遅いから来てみたものの......。」
ナルって、なっちゃんの事かな?
泣き終わったのかソルくんが顔をあげた。
「ステラ.......ごめん迷惑掛けて。
ただ、嬉しくて泣いてただけだよ」
ステラさんは不思議そうな顔をした。
「嬉しくて泣いていたのかい?」
「うん、友達が出来たんだ......」
微笑みながらソルくんは言った。
「それはよかったじゃないか。
澄川さんだったけ? よろしく頼むよ」
なんだ、怖い人だと思ったけど意外といい人?
「あ、はい!」
「ナルが足止めしててくれてるから、
早く行こうじゃないか」
-20分前―
「僕は二人を捜しに行くから、それまでその変態を
足止めでいいからしておいてくれ」
あ、あれ? ステラがどっかに行っちまたぞ!?
まあ、俺が足止め? をすればいいんだな!
「よ、幼女。ぐへへへっへっへ.........
俺の獲物......はぁはぁ........。こっちにおいでぇ~」
「おい! そこの変態っ。俺に足止めされろ!!」
おお!!俺の方見てる!!
ところでアシドメってどうやるんだ?
足を止めればいいのか? どうやって止めるんだ?
まさか......釘!?
ステラ、あいついくら変態だからって釘を刺すのはひどすぎるぞ!!?
どうすればいいんだオレ!?