二話 変態は好きじゃない
「私と一緒に変態を撲滅させましょう......か」
僕はベットの上でそのことをずっと考えていた。
あの後、彼女と明日の待ち合わせをして家に帰ってきた。
うーん。
それは、僕も変態撲滅協会に入って一緒に倒そうということだよな?
僕は何だかうれしいような、不安なような色々な気持ちが渦巻いていた。
「緊張するなー!!」
僕は確かに正義感が強い方だ。だからきっと今日も変態から女の人を助けようとしたのだろう。
小さい頃から、ヒーローに憧れていた。
助けを求めるとすぐに来て見事に救っているヒーローがかっこ良かった。
街の人々を変態から守る、なんていい響きなのだろう。僕はそう思った。
同時に少し不安があった。どんな人達がいるんだろう。
やっぱり、ムッキムキのマッチョなお兄さんとかかなぁ~?
でも、彩華ちゃんみたいな可愛い子いるのかな、
僕がカッコイイ所を見せて彩華ちゃんや街の可愛い子からモッテモテになったりして......
自然と口角が上がって来る。
って、そうじゃないだろう!?
僕は街の人たちを変態から守るんだ。
僕はそもそも、変態があまり好きではない。
皆の迷惑を考えずに公共の場で不健全な発言、行動をする変態に嫌悪感を抱かずにはいられないだろう。
僕自身変態に良く絡まれる。
三日前も変態かどうかはわからないが二十代の男性が
「あぁ、はやく結婚したぁぃ、したぁぃなぁ~。別に君でもいいんだよ?
むしろ、人間のフィールドの中で君が一番....... 好きだぁぁぁぁ!!
さあ。結婚しよう!? そうしよう!! 遠慮しないでよぉ、さあさあ」
これはまだいい方なんだけど、まあいいや。
だから、僕も変態を撲滅するのに賛成だ。
ってもうこんな時間明日早いからもう眠ろう。
ジリリリリ、ジリリリリリリ、朝です朝です
ジリリリ、ジリリリリリリ、朝です朝でっ、ピタッ
「うーん、もう朝か、今何時って!! あと待ち合わせまで20分しかない!?」
急がなきゃ、遅れる!! 朝ごはんはもういいや。
「行ってきまーす!!」
ガチャッ
ハァ、ハァハァハァ......
走れば間に合うか?
ハァハァ、ハァハァ......
ふぅ、やっと着いたってアレ、彩華ちゃんいない。
まあ、早すぎたか? いや、そんなことないな
遅れたのかな僕と同じかぁ、急がなくてよかったな。
まあ、少し待とう。
ー30分経過ー
あ、あれ? 来ない......
まさか、あれは嘘だったとか!?
そうだよな、そんな都合よく、撲滅協会入れないよなぁ~
はぁ.....
遠くから、女の子が走ってきてる。
あ、あれは彩華ちゃんだ!!
「遅れてすみません、待ちましたか? 」
僕は彩華ちゃんが来てくれたのがうれしくて口角が上がっていた。
彩華ちゃんは不思議そうに僕の事を見上げた。
「何かいいことあったんですか? 」
「ま、まあそんなとこかな、あはは......」
「ふーん」と興味なさそうに言った。
「私について来てください。変態撲滅協会に案内します」
何分歩いたんだろうか、人通りも少なくなってきた。
その時、前を歩いていた彼女が振り返った。
「ここが、変態からこの街を守っている変態撲滅協会です」
目の前には大きなビルがあった。