第三章「決戦のヴァルハラ」
「よお兄貴。
ヴァルハラ出場おめでとう。」
「はっ。荒北農業高校もヴァルハラまで行ってたのかよ。最高神。」
この憎たらしいクソガキは弟の小田最高神。
親がオーディンの神霊者になって欲しいと付けた名前で、腹が立つことにこいつはオーディンの神霊者になりやがった。
「兄貴さあ、さっさとゼウスの神霊者になれよ。
出来損ないめ。」
「う、うるせえ!!」
「こいつが最高神の兄貴?
なんかひょろっちいな。」
なんだこいつは!
初対面のくせに!!
「こいつはおれのオリンポスメイトの氷室清志だ。兄貴とは違ってアレスの神霊者だぜ。」
「よろしくっす。
ヴァルハラでは手加減しないんで。」
「ふっ。
まあ、ヴァルハラの敵は溝口兄弟だけだがな。」
「くそてめえら言わせておけば好き勝手言いやがって……!」
「なんだ?やんのか?クソ兄貴。」
くそ腹立つ……!
もう我慢出来ねえ……!!
奇声を発してやる…………!!!!
「キェェェェェエァァァァァァァァァェェァァァァァェァァァアェァ!!!!!」
「なんだ!てめーの兄貴変態だな!
…いや違う!!あれは!!!!!」
「!!??
背後に何か見える!?まさか…!!」
「キェエェェァェァァェェァァェェァェァァァァェエアェァェ………ふぅ。」
はん。
奇声を発したらビビって逃げやがったぜ。
だからまだガキなんだ。
「どうやら本人は無意識のようだな。」
「あぁ、兄貴の野郎…。
やつが神霊者になるのは時間の問題だ。」
よし、そろそろヴァルハラの時間だ!
ヴァルハラに残ったのはうちと聖ファレスティア学園と荒北農業高校。
ぜってー負けねーぜ!!
「がんばってね。亮、神王。」
「あたりめーだ!コテンパンにしてやる。特に荒農。」
「優勝したら夏祭り一緒に行こうな佳乃。」
「もう!優勝しなくても行くの!!」
「ふふっ。まあ、優勝するから見といてよ。」
おれの周りには敵しかいないのか。
「英士、手加減なしで行きましょう。」
「あたりめーだ零士。やつがゼウスに相応しいか試してやる。」
「全力で二ケをもぎ取るぞ氷室。
ただし兄貴には注意しろよ。」
「分かってるって最高神。
見せてやろうぜおれらの力をな!」
「ポロポロポロ〜ン」
ラグナロク開戦のハープが鳴り響いた!!!
「オ〜 やってますネェ。」
「アレックスお坊っちゃま。
何故、ジャパンのこんな小さな大会を見に来られたのですか?」
「オジイ様以来現れていない、ゼウスの神霊者…。
それに最も近い男が出場してるって聞いてネェ。」
「なんと…。
アレクサンドル様はゼウスに相応しいゼウスフォーラーでした。
その男はアレックスお坊っちゃまの目にどう映りますか?」
「オ〜 小田神王。
ミーにはわかる。彼はオジイ様を超える強大な力を持っているヨ。
これは歴代最強の神霊者になるだろうネ…。」
アレクサンドルを忘れたなら序章を読め。