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一寸でも先へ  作者: nikoa
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スタンダップ・ヒーロー

あの日の空気を思い出す

君の香りと陽射しの匂い

混ざり合って鼻の奥を刺す

今は記憶の中でだけ


いつだって悔やんでいた

ただ一人残っていること

いつだって苦しんでいた

自分だけが辛いってフリしてた


君がこんな俺を見たら

きっと叱ってくれるだろう

君がこんな様を見たら

きっと呆れてしまうだろう


笑えるよ。


いつまでも立ち直れない

ペシミスト気取りのウタウタイ


耳の奥にこびりついた声

奮い立つ精神(こころ)

拍動する心臓

こんな所で終わらないだろう?


言わせてみせるさ

俺を嗤ったこの世界に

「人間はそんなに弱くない」と


夥しい程の雑音を 掻き分けるように進む弾丸(バレット)

風を切るその姿はまさに そう呼ぶに相応しいカゲ

狼狽えるな まだ俺は太陽 お前に呑まれるつもりは無い

ただ一筋の光となって 一寸でも先へ


ユラめく世界の狭間 突き抜けた君の面影

追いかける日を待ってた

もうそんな日々にさよなら

君に告げる言葉はただひとつ


「もう少し待ってて」


君が今の俺を見たら

安心してくれるだろうか

君が俺のそばに居たら

微笑みかけてくれるだろうか


そんなこともうどっちでもいいや

今はただ前を向いて走るよ

生まれてから生き延びてきた こんなとこで止まってたまるか

使い果たせ 授かった鼓動 使命果たせ この命ある限り

ただ一筋の光となって 一寸でも先へ。


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