2話
まずは理事長室にいくよ、と言われてやってきた理事長室は、校舎の中にあった。...最上階とか、なんでだよ。
無駄に豪華なのは突っ込むべきなのだろうか....
「じゃ、俺はここで待ってるから。寮や学校の説明でも聞いてきてね。」
「......わかった」
ここに来るまでにみた他のドアと比べると、随分豪華な創りの理事長室のドアをノックすると、中からどうぞの声が聞こえ、ゆっ〜っく〜りドアをあけて中に入った。
中も、ドアと同じように豪華で、中でも目に着いたのは高そうな花瓶で、ラベンダーが活けてあった。
「よく来たな、かず。元気にしてたか?」
「まぁ、それなりには。久しぶり。」
「あぁ、久しぶりだ。 元気そうだな。こっちへおいで。」
声をかけてくれた人は、理事長の、國岡 直也 さん。 名前からわかる通り、俺の親族で、俺の叔父である。
礼を言うと、そばにあった高級そうなソファーに座ろうと後ろを向いた....ところで、手を引っ張られた。
「やだっ..... やめてッ....」
過去の出来事が頭をよぎる。
あの時も、後ろから手を引っ張られたことによって始まった。
「うグッ... はぁ、はぁ... ごほッ....」
(苦しい。どうして俺は、あの時...)
「おい、かず!しっかり息をしろ!...かず!!」
「やだ... ごめ..なさ....... めて.... やめてよぉ...」
あの時、俺も着いて行けば、こんなことには....ならなかったのに。 だから、殴らないで。蹴らないで。怖いよ。やめてよ。
「かず! 俺を見ろ!! 目の前にいるのは誰だ!?」
「はぁ...ハぁ..... なお....や....兄....」
「そうだ、俺だ。直也だ。ゆっくり息をするんだ。吸って〜、吐いて〜...」
直也兄の言う通りにやっていくと、段々と乱れた呼吸が収まってきた。
「はぁ......はぁ..........。」
「ふぅ.... 大丈夫か、かず。 薬は何処だ?とりあえず飲んどけ。」
「首...元に......はァ、あるよ....」
呼吸が落ち着いたとはいえ、今ので疲れたから、まだ、息も絶え絶だ。
俺の首にかかってるネックレスは、先に長方形の箱がついている。それを開けると、薬がいつも3つくらい入っている。
---精神安定剤だ。
「これか。 水なくても飲めそうな大きさだな。」
されるがままに薬を飲むと、直也兄に、抱きしめられた。
..........今気がついた。俺、直也兄の膝の上に、横にして座ってたんだね。
いつのまにっ...
今度は長いかな??