盾の不遇職ーAI制御RPGをやり込みすぎたゲーマーが本気になりましたー
二十年間、ただひとつのRPGをやり込み続けた男がいた。
そのゲームの最大の特徴は、敵が学習し、同じ戦法が通じなくなる「自律AI戦闘システム」。
彼はひたすら挑み、何万回もの敗北と勝利を繰り返す中で、敵の次の一手を読む眼を鍛え上げた。仲間を守り、陣形を整え、カウンターの隙を作る。いわゆる“タンク役”としての立ち回りに、人生のすべてを費やしてきたのだ。
ある日、彼は気がつくとそのゲーム世界に転生していた。手にしていたのは粗末な木盾。与えられた職業は《盾》──この世界では“ハズレ”とされる不遇職だった。
なぜなら、この世界には「盾で仲間を守る」という発想そのものが存在しない。攻撃役は攻撃しながら自分を守り、魔法役も自らを庇いながら詠唱する。誰かが攻撃を受けて庇い、誰かがその間に攻撃するという役割分担は、誰一人として思いついたことがなかったのだ。
そのため、百階の塔は四十階までしか攻略されたことがない。力任せの殴り合いでは、学習し進化する塔の守護者たちに勝てないからだ。
転生者である主人公は、常識外れの「盾戦術」を持ち込む。敵の攻撃を予測し、角度と間合いで受け止め、仲間が安全に攻撃できる状況を作る。二十年の経験で染み付いたAI行動の先読みと、誰も知らない“守って攻める戦術”が、世界の攻略の形を一変させていく。
仲間となるのは、俊敏で自由奔放な猫獣人の少女と、幻術と狐火を操る知略の狐獣人の少女。彼女たちと共に主人公は、まだ誰も踏破したことのない百階の塔へ挑む。
塔の内部では、階層が上がるごとに敵AIは学習を重ね、やがては主人公の「先読み」すら逆手に取ろうと迫ってくる。
不遇職と嘲笑されてきた盾が、世界に新たな戦闘の概念を打ち立て、仲間と共に未知の頂きを目指す物語が、今始まる。
そのゲームの最大の特徴は、敵が学習し、同じ戦法が通じなくなる「自律AI戦闘システム」。
彼はひたすら挑み、何万回もの敗北と勝利を繰り返す中で、敵の次の一手を読む眼を鍛え上げた。仲間を守り、陣形を整え、カウンターの隙を作る。いわゆる“タンク役”としての立ち回りに、人生のすべてを費やしてきたのだ。
ある日、彼は気がつくとそのゲーム世界に転生していた。手にしていたのは粗末な木盾。与えられた職業は《盾》──この世界では“ハズレ”とされる不遇職だった。
なぜなら、この世界には「盾で仲間を守る」という発想そのものが存在しない。攻撃役は攻撃しながら自分を守り、魔法役も自らを庇いながら詠唱する。誰かが攻撃を受けて庇い、誰かがその間に攻撃するという役割分担は、誰一人として思いついたことがなかったのだ。
そのため、百階の塔は四十階までしか攻略されたことがない。力任せの殴り合いでは、学習し進化する塔の守護者たちに勝てないからだ。
転生者である主人公は、常識外れの「盾戦術」を持ち込む。敵の攻撃を予測し、角度と間合いで受け止め、仲間が安全に攻撃できる状況を作る。二十年の経験で染み付いたAI行動の先読みと、誰も知らない“守って攻める戦術”が、世界の攻略の形を一変させていく。
仲間となるのは、俊敏で自由奔放な猫獣人の少女と、幻術と狐火を操る知略の狐獣人の少女。彼女たちと共に主人公は、まだ誰も踏破したことのない百階の塔へ挑む。
塔の内部では、階層が上がるごとに敵AIは学習を重ね、やがては主人公の「先読み」すら逆手に取ろうと迫ってくる。
不遇職と嘲笑されてきた盾が、世界に新たな戦闘の概念を打ち立て、仲間と共に未知の頂きを目指す物語が、今始まる。
第1話「目覚めの木盾」
2025/09/21 22:04
(改)