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ライバル


あいつは、今頃どうしているだろうか?


彼女の前から居なくなる。其れは、流木が決して川の上流へと流れていかないように、目の前に立ち塞がった困難に、障壁に、運命という名の惰性と降参と逃避と安楽さへの、助け船だった。目の前に起こった出来事は、伐採であり、誓願であり、希求であり、母性であり、愛だった。其れは、自ら産み出した言動への社会的なバッシングであり、非難であり、悪意だった。

此方の甘えを、遠慮なく軽はずみに存在を削除しようとするエラーだった。プログラミングの中で、社会というプログラムの中で、皆過重負荷を抱え、ひりついた肉体とヒートアップした脳みそと濁流のように流れるコード進行の中で、何とかその綱を握ろうとする精神の中で、一つのハードから繰り出された軽はずみな音は、見過ごされる事なく、流布され、渇いたオイルへの潤滑油として、Wi-Fiのように共有され、自らが不良品と見なされまいよう、自らのエラーコードを暴かれぬように、そのフォルムの違うハードを、例え弾き出すプログラムが正解であっても、不良品と見なして今日一日の熱を冷ます。その共有された風に当たる事が、彼等の中の書き続けられるコードを内包した…クールダウン方式だった。其れが、自分の回路がインプットを間違えたのか、その一連の流れでご入力されたのか、定かではないが、確かにこの脳みそというソウトフェアは、彼等の愚痴というスピーカーの中に、このソウトフェアをハード事デリートしようという出力を拾ったのだ。

関連の中の脳のエラーコードだったかもしれない、其れは、確かに其処に存在し、ファイルに保存されたのだ。其処に存在するという認識そのもの、インプットされ、其れが弾かれずに脳に届いた事事態が、問題なのだ。その届く流れを造ってしまった私自身にも問題があり、その届く流れの中に、届きえる存在と共に肩を並べてる事が問題であり、その汚染された、ウィルスを自覚なしに持っている他者と、その汚染させた自覚を無しに持っている私が問題であり、その環境を作り上げたウイルス原である私と、そのウイルスバスターされない環境、ウイルスがばら蒔かれる環境が問題なのだ。


エラーコードなのか、正常なコードなのか、そのコードを口火に回る彼女らのファンの風に煽られて、癇癪というコードを弾いた私の指は、震えながらキーを叩き、バチバチと音を叩きながらエンターエンターエンターと打ち付け、バタバタとスライドしてバチンと指をつきだした。其れがクールダウンするものかと、クールダウンしながらも、何かと自らを焚き付けて、哀れながら、暴れながら、心で哀しみながら、我れ、怒れり。と喧伝して最後の業務を終えた。



先程、先刻、今日の涼しい夜風の中、あの場所で特別心に止まって、弾かれていたコードを、その目映く光る像を、変色する光りを、点滅するライトを、その大袈裟な身ぶりを、その眼差しを、弾かれたように反らした後ろ髪を、逃げるように去った姿を、一人で怯えたようにいた彼女を、今こうやって何の気なしに書く事が、アウトプットする事が、とてつもないメモリーを忘れる事だと思えない程の報いなかった声を、恋を忘れる程に、あの時彼女といっしょにいた時間の中で、妄想の渦に呑まれたように、彼女の元から去った今、その妄想の渦に飲まれそうになり、君が今どうしているのか、どんな風に僕の事を悪く言っているのか妄想してニヤニヤして、まだ君の存在を感じているこんな自分がいつか、直ぐに君の埋めてくれている寂しさや孤独に気づいて後悔するんだろうな、なんて事を


恋の駆け引きというゲームに勝った気になって、まだ妄想に駆られている自分に気色悪くなって、心底虚しい人生なんだって、気付けなくて、客観的に自分を見て、その客観的な態度にも、その温もりの無さに嫌になって、散々こけにしてくれた、貶してくれた存在が愛おしくて、でも正直もう結構覚めてて、直ぐに忘れてしまうんだろう。


傷つけ無かったから、傷付けようとしなかったら、傷付こうともしなかったから、直ぐに忘れてしまうんだろう。何も知ろうとしなかったから、何も聞こうとしなかったから、踏み込もうとしなかったから、こんなにも直ぐに忘れてしまいそうなんだろう。

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