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第25話 仰天!目が点になる瞬間

 これに対し、高橋奈津美は最初は内心で小さな波紋が広がるのを感じたが、すぐにその感情を押し殺し、淡々と眉を上げて応じた。

彼女が中村浩を見たのは、答案不合格という結果を受けてどんな表情を見せるか確かめたかったからだ。まさか……ちょうど同じタイミングで彼もこっちを見てくるとは。

さっきの少し「他人の不幸を面白がる」ような自分の表情を思い出し、高橋奈津美は内心で少し後悔した。しかしすぐにその感情を巧みに隠した。

中村浩には、彼を笑っているように見えなかっただろうか?

そう考えていると、中村浩は突然視線をそらし、二人の視線が合ったことなど気に留めていないかのようだった。それを見て、高橋奈津美はこっそりと胸を撫で下ろした。

その瞬間

柴田和美と柴田誠は事の成り行きを見守り、思わず得意満面の表情を浮かべた。

やはり彼らの予想通りだった。

奈津美名医の質問はますます難解になり、

しかも正解の基準は彼女の気分次第。

最初に回答した二人は、いずれも大物中の大物。

そんな人物にも奈津美名医は容赦しない。

柴田崇の敗北は確実だ!

柴田和美は考えるほど、笑みがこぼれた。

ははは──

もうすぐ長男から金が転がり込む。あとは思い切り散財するだけだ。

一方、前方に座る高橋奈津美はとっくに柴田和美たちの存在に気づいていた。

二人の得意げな表情を見て、彼女は唇端を上げ、目に狡い光を宿した。

再びうつむき、スマホ画面をタップし始める。

入力した文章を一瞥して確認すると、送信ボタンを押した。

ちょうどその時、司会者は手にしたスマホの振動を感じた。

奈津美名医からの三つ目の質問だろう。急いで画面を見ると──

またもや呆然とした。

思わず柴田崇の方へ複雑な視線を投げる。

これは……

今日の奈津美名医はどうしたんだ?

ますます奇怪な質問ばかりで……

柴田崇は司会者の視線に気づいた。

その一瞥で、もともと緊張していた気持ちが一気に頂点に達した。

普段のリラックスした様子はどこへやら、体がこわばる。

「どうしよう、浩…」隣の友人に慰めを求めるような視線を向けた。

「緊張で死にそうだ。奈津美名医はどんな質問をするんだろう? 通してくれるかな…」

中村浩は冷静に答えた。

「考えようによっては、すでに二人が失敗している。たとえ失敗しても恥ではない。平常心でいけ」

柴田崇はよく考えてみると、確かにその通りだと納得した。

「そうだな。通るか通らないかの二択だ。緊張しても仕方ない。むしろ普通の心構えで臨んだ方がいい。奈津美名医の質問に通るかどうかは、そもそも運任せのようなものだ」

中村浩は淡く同意した。

「その通りだ」

二人の会話が終わると同時に、司会者の声が響いた。

「それでは、奈津美名医の三つ目の質問は柴田様へのものです。柴田様、ご準備ください」

柴田崇は深く息を吸い、椅子から立ち上がった。

「準備はできている。質問してくれ」

この瞬間、会場の全員の視線が例外なく柴田崇に集中した。

これが最後の質問。柴田崇は奈津美名医の診療権を獲得できる最後の候補者だ。

成否はこの一举にかかっている

そのため、誰もがこの出来事に強い関心を寄せていた。

四方八方から注がれる視線に、柴田崇の手の平には薄い汗がにじんでいた。

果たして合格できるのか?

あとは司会者の質問に答えるだけだ。

結果は運命に委ねるしかない……

衆人環視の中、司会者はついに奈津美名医の最後の質問を口にした。

「柴田様、今年おいくつですか?」

柴田崇:「?」

何だこれは?

これが奈津美名医の質問?

疑問が湧き、彼は直接聞き返した。

「これが……奈津美名医の質問ですか?」

驚くのも無理はない。あまりにも突拍子もない質問だった。

奈津美名医の思考回路が理解できない……

司会者が頷く。「はい、これが奈津美名医からの質問です」

柴田崇だけでなく、質問を代読する司会者でさえ、この質問には首を傾げた。

奈津美名医は何を意図してこんな質問を?

わざとハードルを下げたのか……それとも何か深い意味が……

柴田崇と司会者以外にも――

会場の誰もが、中村浩さえもこの質問に思案に暮れていた。

奇妙だ……

なぜ奈津美名医は柴田崇の年齢を聞く?

明らかにまともな質問ではない。

もちろん、最もまともでない質問は先ほど中村浩にされたものだが……

柴田崇への質問も似たようなものだ……

「罠じゃないのか?」柴田崇は皆の疑問を代弁した。

周囲は顔を見合わせ、確かに罠の可能性が高いと頷く。

会場中が奈津美名医の真意を推測する中、中村浩が柴田崇に小声で助言した。

「回答時間は3秒だ。まずは答えろ。合否はその後だ」

柴田崇はハッと我に返った。「その通りだ」

そう言うと、3秒の制限時間内に司会者を見て答えた。

「わ…私は24歳です!」

この答えに、周囲から一斉に笑い声が上がった。

また一人、奈津美名医の悪魔的な質問に敗れたようだ。

中でも最も喜んだのは柴田和美と柴田誠だった。

二人は顔を見合わせ、互いの目に得意の色を認めた。

もうすぐだ……

結果発表を待つだけ。

長男の財産が彼らの手に落ちる。

柴田和美は以前から欲しかった高級ブランド品を全て買い揃える姿を想像し、口元を抑えきれずに上げた。眉尻から唇先まで、ことごとく得意気だ。

柴田誠も同様だった。長らく長男に押され続けてきたが、

表立っては反撃できなくとも、この勝負で柴田崇に勝てば、ある意味で本家を出し抜いたことになる。

長男を押さえつけ、徹底的に踏みにじる――

考えただけで胸がすくような快感だ。

誰もが柴田崇の不合格を確信する中、司会者は奈津美名医からの返信を受け取り、マイクを握り締めて結果を発表した。

「柴田様、ご回答に対する奈津美名医の判定は……」

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