カレシとか夢物語だと思ってた
今日は安心安全?なしろかえでです(*^。^*)
クラスの男共が冗談めかしで話してた……
女の子に話し掛ける方法を
要はどうやってナンパするか?って話なんだけど、ワタシ、笑い飛ばせなかった。
似たような事、妄想してたから……
どこかの歌詞の様に雨の日にハンカチとか傘とか貸してあげてさ!
翌日、駅前のカフェで待ち合わせして傘を返してもらうの!
お礼にカフェラテとケーキのセットをご馳走してもらって……
それが初めてのデートで……
ちょっと天気の悪い日曜日に遊園地デートして……下心満載のワタシはワザと傘を忘れてカレの傘の中に隠れて初めてのキスを……
うわああああ!!!恥ずい!!!
でも涎が出た!!
かくも病んでムッツリなワタシは涎をなだめる為に食んだサンドイッチをゴクリ!と飲み込み、“吸いつくした”嘘っこカフェラテのブリックパックをパコパコさせながら、つい口走ってしまった。
「あ~! カレシ欲しい……」って!
そしたら「えっ?!」声が背中でして、ワタシの方がぶっ飛んだ!
「エエエエ!!!???」
慌てて振り返るとクラス一影の薄い影日向くんが立っている。
「いや、そんなに驚かれると困るんですけど……」
そう言われてしまって、ワタシの顔はますます赤くなるけど……頭の中はパニクりながらも目まぐるしく“邪悪”する。
『影日向くんは“影が薄い”上に週に1、2回しか学校へ来ない引きこもり! このワタシの“やらかし”も伝播する事はないだろう……ならば“蓼食う虫もなんとやら”だ!!』
「ね!影日向くん!」
「はい」
「キミがどのくらい私に恥をかかせたか分かる??!!」
「いや、それはキミが勝手に……」
「何言ってんの!! 女子の背中に“こっそり”“無言で”立つなんて!! 完全なストーカー行為でしょ!!」
「えええ??!!」
「『えええ??!!』じゃない!! これはもう現行犯逮捕のレベルよ!! まあ学校内だから停学レベル!!」
「そうなの??」
「そうよ!! でも引きこもりの影日向くんに停学なんか無意味だから、この事は先生には言わないで置いてあげる!」
「あ、ありがとう……」
「お礼を言うのはまだ早いよ! キミは私への償いとして駅前のカフェでワタシにケーキセットをご馳走しなさい!」
「……分かった。じゃあ今日、帰りに……」
こうのたまう影日向くんにワタシは大きなため息を吐いて見せた。
「帰り道にそんな事したら“指導対象”になるでしょ!! 今度の日曜はワタシの為に空ける事! 分かった??!!」
「分かった……」
ワタシにグイグイ圧されて狐につままれた様な顔をしている影日向くんは……実はクラス(特に女子)の間では“ラッキーアイテム”なのだ!
だってそうでしょ?! 影が薄い上に引きこもりなんだからレアキャラ確定! 見つけたらラッキー!!
そんなレアキャラにケーキセットを奢らせるんだからワタシの運気は上昇間違いなし!!
それにですよ!!
これは模擬デートでは??!!
ワタシは心の中でガッツポーズを取りながらグフフ!とほくそ笑んだ。
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ワタシは、「影日向くんなんかマウント取ってやる!!」と意気込んで、お姉ちゃんから借りた夜明けの空色のストラップワンピにオフホワイトのシア―シフォンカーディガンを羽織り、目いっぱい大人っぽく決めたのだけど……お店の脇の街路樹に立って待っている影日向くんはボーダー柄のシャツにロールアップしたアンコンジャケットを着こんでいて、いつもの“詰襟”とは全く違うカッコ可愛い男の子してる!!
「わああああ!! どうしよ!どうしよ! これって絶対デートだよね!!」
内心ドキドキしながら色々粗相をしないよう注意深くケーキを“召し上がって”いたのだけど……影日向くんはかなりの映画好きらしく(そりゃそうだよね。引きこもってガッツリ観てんだから)話してくれる映画の話が面白くて、いつしか身を乗り出したりケラケラ笑ったりしていた。
そんな流れで、その後は影日向くんにポップコーンバケットを持ってもらいながら映画デートをしたのでした♡
おしまい!
まあ、にぎやかなコですね(#^.^#)
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