⑯山で遺体を埋めるのを手伝わされる河原
⑯山で遺体を埋めるのを手伝わされる河原 Aバージョン
・S1 山、拠点(夜、日没後)
飛田、カメラを起動させている
芋の埋まってた場所と同じ景色の山中である
河原はロープで縛られて気を失っている
カメラが映っていることを確認する飛田
飛田『これ、、、あ、いけた、いけたわ』
カメラが起動すると河原を起こしに行く
飛田『おい』
河原『ううう』
さるぐつわをされていてうまくしゃべれない河原
河原の目の前でスコップを振りかぶる、押し黙る河原
飛田『な、ちょっと一回、静かにしてくれよな』
さるぐつわを外す飛田、飛田はさるぐつわを外すとスコップで地面を掘り始める、
河原『すいませんでした、もうなんも、なんもなかったんで、本当に許してください、勘弁してください』
スコップで地面を掘りながら河原と会話し始める
飛田『ちがう、ちがう、あの、全然気にしてないから、ただ聞きたいことがあるだけだから』
河原『はい、なんですか』
飛田『いや、あの、』
河原『なんでも』
飛田『改まってなんでも聞いていいってなるとさあ、なんかさあ、考えるよな』
河原『、、、』
飛田『結局さあ、人間が相手に質問するときってのはさあ、最終的にはさあ、俺の事どう思ってる?ってとこに行きつくんじゃねえかな?』
河原『え、といいますと』
飛田『いや、さあ、そのまんまの意味だよ、お前、帰ったら何するつもりだった?』
河原『帰ったらって、飛田さんの家からですか?』
飛田『、、、』
河原『いや、普通にその風呂入って寝て、なんか、そのすごい自分にはショックだったんで、休みたくて』
飛田『でもお前、別れてすぐに警察に電話しようとしたことなかった?前、芋とりにきたとき』
河原『、、、すいませんでした』
飛田『いやだから、全然良いって、気にすんなよ』
河原『、、、全然質問とかには応えますんで』
飛田『あのさあ、お前はどうしたいんだよ』
河原『いや、そういう質問に答えられるような状況じゃないっすよ、、、だって縛られたりしてるんで』
飛田、無言で河原をほどく
河原『、、、僕、もう帰ってもいいですか?』
飛田『じゃあさ、代わりに穴掘ってくんない?』
スコップを手渡す、飛田
飛田『考えてもみろって、おっさん二人も担いで山んなか突っ切ってんだから疲れるって』
河原『え、、、』
スコップを受け取る河原
飛田『お前やるんだったらとっとと掘れって、終わらないと帰れないから』
河原、穴を掘り始める、飛田は手持ちで河原を撮影し始める
・S2 山、拠点(夜)
河原は穴を掘っている飛田は手持ちで河原を撮影している
河原『、、、その、なんで、穴を掘ってるんですか?』
飛田『、、、秘密』
河原『、、、その、遺体を勝手に処理しても犯罪なんですよ、めちゃくちゃやっちゃいけないことなんですよ』
飛田『やっちゃいけないとか、やっていいとか、それお前の話?』
河原『え、何を?』
飛田『だから、それ、お前の話だろ、お前がそう思ってるって話だろ』
河原『いや、僕だけじゃなくて、みんなそう思ってます、世の中の人はみんなそう思ってます』
飛田『じゃあ、なんで、俺にこういう依頼が来るわけ?』
河原『それは、そういう依頼をする人がおかしいからです、そういう人はおかしいんです、飛田さんもおかしいんですよ、めちゃくちゃなんですよ』
飛田『ちがう、ちがう、って、待てって、お前、ちょっとは考えろよ、だから、本当にやっちゃいけないってみんながみんな思ってたら誰もやらないから、やっちゃいけないことなんてルールなんかになんないって、だから禁止されてるってことは、逆に言うと誰かしらがやってるんだって、で、それは必要だからやってるんだよ、公にやってないことにしたいっていうことは、本当はめちゃくちゃ必要で誰かがやんなきゃいけないことなんだって、大体さあ、俺が芋を洗えるからこいつら殺し合えるわけじゃん、そしたらこいつらは勝手に減ってくことになるよな、そしたら治安とか良くなるんだって、だから長い目で見たら俺のやり方の方が良いんだよ、、、そのやくざの人とかもさあ、やりたくてやってるわけじゃねえんだよ、仕方ねんだよ、俺らはおんなじなんだよ、あー、お前頭使わないからさあ、俺ばっか喋んねえといけねえじゃん、、、第一俺が芋を処理せずに街にほっといたら誰か迷惑するんじゃねえの、朝走ってるじいちゃんとかが最初に見つけて騒ぎ出すわけだ、そうなった方がいいのか?それよかそういう厄介ごとを誰かが片づけておいた方がいいだろ?お前らどうせ自分に関係ないことなのにわざわざダメだからダメってお前、いつまでも5歳児みたいな理屈をこねるのやめろって、いい加減そういう考えたらわかること、いちいち言わせんなって、、、』
河原『、、、』
河原、穴を掘る手を止めて、飛田をスコップで殴る
~カット割る~
飛田『イってぇー、いてぇよぉー』
飛田、額を押さえてじたばたしている
飛田の落としたカメラを拾ってその様子を撮影している河原
飛田『そんなんで死ぬわけねえじゃん、イってえよお』
飛田『お前、やり方しらねえから、馬鹿力でぶん殴ってよお、ちげえんだよ、腰、腰が入ってないの、手だけでやってるから、ダメなんだって、当たった時に力入れてないだろ、逆、当たった瞬間にぐっと腰に力を入れて回すんだよ、それで、相手の頭をただ狙うんじゃなくて、頭を支点にして相手の首の骨をひねりきってねじ切る感覚でやんないと』
河原『、、、車のカギ、もらってもいいですか』
飛田『わかった、わかったからよお』
飛田、車のカギを河原に渡す
河原『、、、携帯も、あやっぱいいです、飛田さん、警察使わないっすもんね』
河原去っていくが飛田はついてくる
飛田『、、、ちょっとまって、お前靴は良いのか?』
河原『はあ?』
飛田『いや、こういうときに靴脱がしとくんだよ、そしたら、追いかけたり逃げたりしづらくなるんだって』
河原『ついてくんなよ!』
河原、去っていく
飛田『俺らみてえなのはな、芋になるか、芋洗うかしかねえんだよ』
・S3 山、駐車スペース
飛田の車のエンジンをかける河原、すると飛田が車の窓から説得してくるが、河原は無言で発進する
少し走った後
河原『クソが!!!』