⑪芋をもらいに山に向かう二人、芋盗りを退治する
⑪芋をもらいに山に向かう二人、芋を作る業者にあいさつしに行く、芋盗りが現れ芋盗り退治に協力する飛田
・S1 山の入り口あたり(昼)
山の入り口あたりにいる河原と飛田
河原『おはようございます、ト、、飛田さん、今日はここなんですか?』
飛田『ちげーよ』
山へ入っていく飛田
河原、うろたえながらも、飛田についていく
飛田は無言である
河原『今日は何するんですか』
飛田『芋くれる人がいるから、ちょっと挨拶しに』
河原『ああ、そうなんですね』
・S2 山の移動経路1(昼)
飛田は無言でどんどん山を登っていく
河原は動揺し息を切らしながらも登る
河原『、、、飛田さん、これ、まだ登るんですか?』
飛田『、、、』
河原『ちょっとまってくださいよ』
飛田、無言で登り続ける、飛田はだんだん先行し、河原と距離が広がっていく
河原『、、、飛田さん、ちょっと、ちょっと休憩』
河原が声を出すと飛田は勢いよく引き返してくる
河原『あっありがとうございます』
飛田に聞こえないぐらいの声で(わざわざ戻ってこなくても待ってりゃこっちも行くって)
飛田はずかずかと河原の目の前まで近づいてくる
河原『あ、いいですよ、別にそんな、先で待っといてもらったら』
飛田は止まらずに河原の目の前でカメラを掴みゆらしながら
飛田、小声で、飛田『おい、お前、静かにしてろ』
河原『、、、ちょっ、え』
飛田『だから静かにしてろって、わかったな』
飛田、焦りが垣間見える
河原『はい』
飛田、動き出す
河原『え、休憩しないんすか?』
飛田『するかボケ』
・S3 山の移動経路2(昼)
飛田についていく河原、飛田は急に走り出す、飛田を見失う河原
・S4 山、場所1(昼)
飛田を追いかけていると、男が男をいたぶっているような声が聞こえる
芋の主人(杉さん)『やめてくださいぃぃ』
芋盗り、芋盗りは攻撃をやめない
河原が二人の様子をカメラにとらえる、一人の精悍な男(芋盗り)がもう一人のおじさん(芋の主人)をいたぶっている、
目隠しされ、手と足をロープで縛られ、腹パンされている
杉さん『うぐう』
河原『、、、あああ』、慌てる河原
次の瞬間に河原は後ろから羽交い絞めにされる
河原は悲鳴を上げようとするが口と喉を押さえつけられうまく声がだせない
飛田『俺、俺、俺だから、いいから黙れって』
河原『、、、なんで、あんな』
飛田『クソが、杉さん、なに下手こいてんだよ』
河原『飛田さん、これ警察よば』
飛田『バカが、警察なんて呼ぶわけねえだろ』
河原『はあ、いやなんか事件が』
飛田『だからあ、山!山で警察なんて呼べるわけねえだろ、場所とか細かく教えらんねえだろ』
河原『場所とかそういう問題じゃなくて』
飛田『だから警察じゃ、時間もかかるし、場所もわかんないから』
河原『だって、あの人、、、襲われてる?』
飛田『ちょっと待てって、杉さんが!』
河原『え、知ってる人なんですか?』
飛田『、、、芋くれる人』
河原『殴られてるほうがですか!?、、、あ』
芋の主人と芋盗りが動き出した
芋盗りは芋の主人の目隠しを外し、芋の主人を縛ったロープを手に持って、芋の主人を飼い犬のように先行させている、芋盗りは手にスコップを持っている
それを尾行する飛田と河原、徐々に距離を詰めていく
・S5 山、場所2(昼)
芋盗りは立ち止まり立小便をする
河原、飛田に目配せする
芋盗りが隙をみせた今なら芋盗りから芋の主人を助けることができるかもしれない
飛田もうなずき、勇気をだしている、河原に手でタイミングや戦い方を指示している
が、飛田がまごついている間に芋盗りは立小便を終えて、隙は無くなってしまう
・S6 山、拠点(昼)
開けた場所に出た
芋盗り達の会話が聞こえる距離にまで接近した飛田達
芋の主人(杉さん)『このあたりです』
芋盗り『そうじゃなくて、俺、どこにあるのって聞いたよね』
芋の主人『はい、このあたりに埋まってます』
芋盗り『埋まったままの芋は食えるの?』
芋の主人『食えないっす』
芋盗り『だよね、、、埋まったままの芋ってさあ、それは芋なの?それとも地面なの?』
芋の主人『はあ、といいますと?』
芋盗り『だから、埋まったままの芋はさあ、食べられないし、見えないし、触れることもできないわけじゃない、それって芋が芋という状態で存在しているわけではなくて、どちらかというと地面だよね』
芋の主人『はあ』
芋盗り『じゃあ、あんたは俺に地面を食えって言ってるわけか?』
芋の主人『いえ、違います、その芋はどこにあるのかって聞かれたんでその私はここに埋まってるって』
芋盗り『うん、でもそれじゃダメじゃん』
芋の主人『はい、ダメです』
芋盗り『掘ろうか』
芋の主人『はい、掘ります』
芋盗り『気いつけなよ、怒る人、怒るから』
芋の主人、手持ち無沙汰にしている
芋盗り『えっなに?』
芋の主人『お借りしてもいいですかね』(スコップ)
芋盗り『なんで?』
芋の主人『あ、はい』
芋の主人、足で芋を掘り出そうとする
芋盗り『あ、ごめんごめん着いたから足縛るわ』
芋盗りが芋の主人の足を縛っている間に芋盗りに隙が生まれる
河原は飛田に目線や手で合図を送る、スコップを拾って殴ってという感じのジェスチャー
飛田、じっと考えたすえに、首を横に振る
河原、飛田待機する
・S7 山、拠点(昼)
芋の主人、手と足を縛られた状態で顔で芋を掘らされている
(撮影では顔で芋を掘らなくても済むような処置やアングルを考えます)
時間をかけて顔で芋を掘っている芋の主人、その様子を見飽きた芋盗りは眠ってしまう
うとうと眠っている芋盗りは隙だらけだ、河原は飛田に目配せすると飛田も寝ている
河原は飛田を起こし、眠っている芋盗りを指さし、チャンスであることを伝える
飛田は寝起きで機嫌が悪そうにしているが、しぶしぶ納得した
しかしその瞬間に芋の主人が歓声を上げる
芋の主人『うーー』芋を掘り当てたのだ、その声で起きる芋盗り
芋の主人は芋を咥えて芋盗りに近づいていく
芋の主人『お時間がかかってすいませんでした』(芋を咥えながら)
芋盗り『遅えわ』
芋の主人の掘り当てた場所に近づき
芋盗り『この辺?』
芋盗りはスコップを使って芋を掘り始める
~カット割り~
芋盗りがスコップで芋を掘っていると、その間に芋の主人がこちらに気づき、じりじりとこちらに近づいてくる芋の主人
飛田は芋の主人にものすごく低姿勢で助け、縄をほどく
飛田『間に合ってよかったっす』
芋の主人『助かったわ』
河原『じゃあ、早く警察呼んで』
芋の主人&飛田『呼ぶなよ』
芋の主人『飛田さあ、こいつ、なに?』
飛田『あ、芋洗いを弟子入りする代わりにバンドの事を取材するって、なんか言ってたあの、電話で言ってた』
芋の主人『ああ、そう、まあ、それはあとでいいとしてさあ、』芋盗りを睨む芋の主人
飛田『あれ、隣山のやつらっすよね、さっさとズラかりますか?』
芋の主人『馬鹿、お前、金玉腐ってんのか?なんで男が顔に泥つけられて黙って帰らねえといけねえんだよ』
飛田『すんません、』
芋の主人『あいつ変な空手使ってきてよぉ、用心棒気取りかなんだかしらねえけど、お前ハジキかなんか持ってんのか』
飛田『ないっす』
芋の主人『じゃあ突っ込め』
飛田『え、、はい』
~カット割る~
飛田、芋盗りの後ろから近づいていく
飛田は足音を立てないように奇襲を仕掛ける態勢で近づいていくが芋盗りは気づいて振り返る
芋盗りが振り返るモーションの間に飛田は素早く奇襲をかける態勢からふつうに登山に来た人を装う態勢に変化し、挨拶する
飛田『、、、あ、おはようございます、その天気晴れてよかったですよね、そのよく登るんですか、その山とか』
芋盗り『、、、あ、いえ、』
芋盗り、ジッと飛田を見ている、芋の主人が居なくなったことに気づく
飛田『、、、あ、なんか掘ってるんですかね、あのなんか』
芋盗り『もう一人いませんでしたか?』
芋盗りは飛田との距離を詰める
芋の主人『はやく、いけよ!!!』
芋の主人が芋盗りに突っ込んでいく
芋盗りは飛田を警戒していたため芋の主人に対して身構えるのがわずかに遅れ、
芋の主人が手にしていた岩で強烈な一撃を顎に食らってしまいダウンする
~カット割る~
飛田は後ずさる
芋の主人『この、インチキ空手野郎が』
芋の主人はダウンした芋盗りに馬乗りになり、何度か殴りつける
芋盗りは目の焦点があっていない
芋の主人『ざまあねえなあ、そんなに芋が欲しいか!洗わねえ芋を食わしてやる』
芋の主人、気絶した芋盗りの背中を木の幹におしつけて、芋盗りの体を起こして、芋盗りの口の中に自分が咥えていた芋を押し込んでいく、
飛田『どうするんですか?隣山には』
芋の主人『知るかよ、別に死んだわけでもねーし、お前が送ってくか?』
飛田『、、、』
芋の主人『黙って芋でも拾ってろよ』
飛田『すいません』
芋を頭陀袋に入れていく飛田
芋の主人『おい、もう一枚、』
芋の主人は頭陀袋を受け取ると芋盗りに被せて、電子タバコを吸い始める
・S8 山、移動経路2(昼)
芋を回収し終えて下山し始めた三人、
芋盗り『うおおおお』
芋盗りが復活して襲い掛かってくる
芋の主人『くそが、返り討ちにしてやる』
飛田『もうやめましょ、芋はありますし、あいつ殺されねえってわかったうえで突っ込んでくるんすよ』
芋の主人『うっざ』
逃げ出す三人
・S9 山、移動経路1(昼)
三人、安全なところまで芋盗りから距離を引き離した
三人とも荒い息遣いをしていると
すると突然、正面から芋盗りが現れる
芋盗り『つぶす、つぶす、つぶす、つぶす、つぶす、つぶす、』
飛田『いやあああ』
芋を持っていた飛田は弾き飛ばされる、
芋の主人が芋盗りと取っ組み合う
芋の主人『芋は?』
飛田『大丈夫です』
芋の主人『芋は任す』
飛田『はい』
芋の主人『おい』
飛田、逃げ出す
・S10 山、入り口付近(昼)
下山した飛田と河原
しばらく待つと、芋の主人が山から下りてきた
飛田と河原、茫然としている
芋の主人の衣服には血がついていた
芋の主人『、、、大丈夫、あいつ足折ったら逃げてったし、じゃあ行こうか』
歩き出す三人
芋の主人『今日、ありがとう、たすかったわ、あとはこっちでやっておくわ』
間
芋の主人、飛田に対して
芋の主人『あの、飛田はさあ、その、もうちょっと頑張れない?』
飛田『あ、はい』
芋の主人『俺さあ芋は任す、って言ったけどさあ、そういう意味じゃなかったし』
飛田『すいません』
間
河原『、、、良かったっすね?』
芋の主人『なにが?』
河原『いや、その無事で』
芋の主人『そうだね』
河原『、、、あの、どういう状況なんですか?』
芋の主人『なにが?』
河原『いやあ、なんか、そのすごいかったじゃないですか、その襲われてて』
芋の主人『あ、その、ごめんね、さっきの芋泥棒だから、芋泥棒が出て困ってたの、それであの飛田君に手伝ってもらってて』
飛田『はい』
河原『芋泥棒ですか』
芋の主人『うん、もう警察もくるから、呼んでるから、』
河原『はあ』
芋の主人『そのわざわざ付き合わされてもめんどくさいでしょ、飛田は忙しいだろうし』
飛田『すいません』
・S11 山、入り口付近のあたり(昼から夕方)
帰り道、芋の主人がいなくなってからしばらく二人で歩く
河原『あの、大丈夫ですか?』
飛田『何が?』
河原『警察とかに通報した方がいいんじゃ』
飛田『警察はまあ、俺らは特になにもしなくて大丈夫じゃないかな、杉さんもやっとくって言ってたじゃん』
河原『あの人はなんなんですか』
飛田『うん?芋くれる人』
河原『そうじゃなくて、』
飛田『なんか山の地主さんらしいよ』
河原『そうじゃなくて、おかしくないですか、、、なんか戦ってて、』
飛田『まあ、、、俺は、戦いが好きじゃないから、』
河原『戦いが好きじゃないから?』
飛田『だから、あんまり詳しいことはわからないけど、今は警察とかはやめておこうよ』
・S12 山から離れた道路(昼から夕方)
飛田と別れてから警察に連絡する河原
警察『はい、110番です、事件ですか?事故ですか?』
河原『はい、あの、事件っていうか、』
警察『はい、どうされました』
河原『その、芋を盗みに来た人に襲われている人が居たっていうか』
警察『はあ』
河原『その、状況が全然、うまく言えないんですけど、とにかく芋を盗ろうとしてくる人と、芋を守ろうとしてる人が喧嘩みたいになって、今そういうことが起こってるわけではなくて、さっきまで乱闘みたいになってたっていうか』
警察『あ、それ杉本さんの山?』
河原『はい』
警察『杉本さんのところの芋泥棒の話?』
河原『はい』
警察『あ、もう通報していただいてますね、なにか関係』
急に飛田が現れ河原の電話を奪う
飛田『あの、詳しくはわからないんですけど杉さんがケガしてて芋泥棒が入ったっ言ってたから、だから警察に話いってるかなって、杉さんから連絡きてるんならそれでいいです』
警察『大丈夫ですよ、ちゃんと連絡入ってます』
飛田『ありがとうございます』
飛田、電話を切る
飛田『なんで警察に連絡してんの?』
河原『僕らも事情を説明しに』
飛田『ただの芋盗りでわざわざ行かなくていいから』
河原『、、、』
飛田『俺らは明日も絶対に外せない仕事があるから』
河原『はい』