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⑭ギャングの遺体を回収する飛田と河原

・S1路上、高架下あたり (昼)

取引先から連絡が入り、現場へと向かう作業着を着ている飛田、

河原『今日、現場このへんなんですか?』

飛田、無視している

河原『今日、荷物多いっすね』

飛田『だから?』

河原『はい、』

飛田『あのさぁ、お前ここで待っとく?』

河原『すいません、いや、その全然、もうバリバリやるんで』

飛田『いや、バリバリとかそういう意味じゃなくてさぁ』

河原『あっすいません、もうずっと黙っとくんで』

飛田『だから、そういう話してねぇ、あ』

飛田の携帯に連絡が入る

飛田『失礼します、頂いた住所もうお近くまで来てて、はい、すいません、もう近くまでは来てて、はい、、いえまだ、その着いては居ないんですけど、、急ぎますか?、あ、大丈夫ですか、すいません、、はい、、、、あの?今日って何割ぐらいでありそうですか?、いや確率でいうと、すいません、、、はい、かしこまりました、もう着きますんで、、はい、、ありがとうございます』

携帯を切り、少し足早になる飛田、追いかける河原

飛田『お前、くるの?』

河原『はい』

飛田『おまえ、、、まぁ、良いけどガタガタ言うなよ』

河原『はい、ガタガタって』

飛田『いや黙れよ』

河原『・・・』

飛田『あとお前言う事聞けよ、仕事だから』

飛田『あっ、あとお前、カメラ切れよ、お客さん写ったらおかしいだろ』

河原『あっはい、』

暗転し音声だけになるカメラ


・S2人気のない場所、(昼)

しばらく移動する二人、

河原『飛田さん、現場この辺すか?』

飛田『バカ、お前勝手に喋んな』

河原『、、、』

河原『あれ、お客さんなんですかね、』

飛田『だから黙れって』

河原『いや、挨拶とか、あの人会釈してくるから』

飛田『うるせぇって黙れって、お前ここしゃがめって、』

河原『すいません、』

飛田『バカ、奥に詰めろよ』


河原『あっ、もう一人来ましたね、あっちの人がお客さん?なんですか』

飛田『黙れ』


ギャングの二人が話し合っているが次第に口論になり、銃声が轟く

銃声が轟く寸前に飛田は河原の頭を下げさせる

飛田『お前、撃つとこ見んな、バカ』


先に来ていた会釈を交わしたギャングが銃で相手を撃ち殺す


河原『飛田さん』

飛田『勝手に喋んな』

河原『違うって、飛田さん』

河原、震えている


お客さんのギャングがこちらを見て合図をすると飛田は立ち上がる

飛田『バカ、お前も来いって、』

飛田、河原を引っ張って立たせてお客さんに近づいていく

河原『いや、』

飛田『だからガタガタ言うなって、お前ちゃんとしろって』


飛田『すいません、今日ちょっと遅れちゃって』

お客さん『良いよ良いよ、今日ふたり?ちょっとサイズ大きいもんね、人工にんく二人だよね、ごめん、一人でやってるわ』


飛田『いや違うんすよ、ちょっとこいつ、仕事教えなくちゃいけなくて、おい、』

河原の頭を下げさせて挨拶させる飛田

お客さん『良いって、良いって、大変でしょ、なんか、色々と』

飛田『イヤ、ホント、人工にんくとか良いんで、コイツ別に使えるやつじゃねぇんで』

お客さん『そりゃ悪いよ、トビィさんにも悪いよ、せっかくさぁ、』

お客さんは死体の服から白い粉の入ったパケを取り出して河原に渡す

お客さん『これ、良いよ、足つかないから』

飛田『お客さん悪いっすよ、』

お客さん『良いって良いって、俺等みんなどうせいつか芋洗ってもらうんだからさ』

飛田『いやいや、それは笑えないっすよ』飛田、お客さん、笑っている

お客さん、河原にパケを渡そうとするが、河原はそれをハッキリと拒絶する

河原『無理、無理っす』

飛田『バカ、おまえご厚意だろ、もらっとけ、すいませんね、こいつバカなんで』

飛田、河原に白い粉のパケを受け取らせる

お客さん『良いって、良いって、新人さん?トビィさん優しいし腕もあるから、ちゃんと勉強してな』

傷跡に専用のスプレーをかけて、テープを貼る音

飛田『すいません、ありがとうございました!、、、よし、やるか、、、おい、、、おい、お前、足持てよ、お前、早くやんねぇと終わんねぇぞ、チャッチャッか、チャッチャッかやれよ』



・S3車の中、(昼)※別日に撮影

さめざめとしている河原をなだめる飛田

車の中、血のついた白い粉の入ったパケが映っている


飛田『あのさぁ、別に、その人のことを知ってたわけじゃねぇだろ?』

河原『・・・』

飛田『それに、さぁ、お前も俺も別に撃つとこは見てねぇじゃん、撃ったその瞬間を見てるわけじゃねぇから、別にあの人が殺したかはわかんねぇよな、遠くから別の人が撃ったかもしれねぇじゃん、』

河原『それ、本気で言ってるんですか?』

飛田『本気も何も実際そうじゃん、俺がさお前の頭をさ、こうやって下に向けたわけだ、あのタイミングで、じゃあもう、わかんねぇじゃん、わかんねぇんだからさぁ、良いんだよ』

河原『そういう考え方するんですか、こういう、ひ、こういう事って、っていうか、こういう事って普段からあるんですか?』

飛田『なんかその、こういう仕事みたいな、言い方が良くねぇよ、お前は、』

河原『なんで、僕がそんなん言われないといけないんですか?』

飛田『だから、その仕事だからさぁ、ジャンル分けみたいなことすんなって、そりゃさぁ嫌なことはいくらでもあるよ、でもそういうもんじゃん、仕事って、そういうの全部で仕事だから、いちいちそういうので一喜一憂するみたいな考え方が駄目なんだって、お前、凄いスポーツ選手とかが、そんな考え方しねぇだろ、ああいうスポーツの人とかでも全部が全部好きって訳じゃねえんだよ、地味な練習とかさぁ、食事の制限とか、プレッシャーとか、海外行くなら英語とか、そういうの全部込み込みで仕事じゃん、お前も、一個の仕事やるんだからさぁ、その仕事の分の全部のことは受け入れるしかないんだって、だからごちゃごちゃ言うなって俺いったよな、たぶんお前さぁ、なんか感情的になってるけどさぁ、それ今日の仕事が特別ショックだからとかじゃないから、お前自体の甘さが出ただけだから、最初っから中途半端なの、気持ちが1番は気持ちが、だから、なんかちょっと気に食わないことがあったらいちいち感情的になっちゃうの、今回の仕事が特別おかしいんじゃなくてお前自体がおかしいの、お前が合わせるの仕事に、仕事がお前に合わせてくれるとどっかで思ってるからそういう態度になるの』


河原、途中で泣き出すが飛田は無視して説教を続ける


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