戦と母乳
あれ?俺さっきまで母乳飲んでたのに今どこいんだよ。なんか前から馬が来ていた。「国王様!指揮を。」は?俺国王になったのか?閻魔様から何も言われてないよな。「もう敵がそこまで来ていますよ!指揮を!」なんで俺王様なのに戦場にいるんだよ。とりあえずバトル系漫画ではそんな事書いてたから言ってみよう。「んじゃ、全員突撃」そしたら俺の前に居た騎馬隊の兵たちは一気に敵の騎馬隊に突撃した。先頭の騎馬は兵もろとも吹き飛んでいった。俺の隣にいた兵隊さんは、「突撃なんてまた大旦な策ですね。」そりゃやり方がわからないからな。突撃しか知らなかったのだ。騎馬隊の戦っている姿に俺は興奮しついつい敵の騎馬隊に突撃したのだ。そしたらものすごく吹っ飛んだ。「国王様ー!」ものすごい高いところから飛んだ後に俺は地べたに尻もちをついた。小学校のブランコから落ちた以来の痛さを痛感した。俺は今国王という権威があったことに気が付かなかった。敵の弓隊が俺の方向に向かって飛んで来たのである。そうか、俺は国王なんだ。この兵士たちに言えば守ってくれるのでは?そう思い、「全軍俺を守れー!」そうすると兵士たちは持っていた盾を前方に構え俺を守ってくれたのだ。すると何やら弓兵の前に砂煙が湧いたのである。敵の指揮官と敵の騎馬兵、歩兵隊が前進してきたのだ。「国王、お逃げください!」俺も逃げる準備をしていたが、敵の先頭隊が俺の方に突撃してきたのだ、しかもものすごい速いスピードで。これはもう死んだと思ったが、右後方からグラディウス(古代ローマを代表する剣)を持った騎兵が相手の騎兵に飛び込んだ。一人で飛び込んでも無駄死にするだけだろうと思っていたが、次の瞬間、敵の騎兵に窪地ができた。小柄な体型の割に、ものすごく力があるようだ。「何をしているのですか国王様!後ろに後退する予定ではなかったのでは。」おそらく前の王様の作戦だろう。済まないがめちゃくちゃにさせたぜ:D「ヴェルダの兵よ全員突撃だ!」そしてあの男は指揮官の元まで自身の精鋭部隊と突撃した。ヴェルダの兵は快進撃を続け、ついに指揮官の元へと近づいた。「投降するなら今のうちだ。シアグリウス。」シアグリウスとはソワソン王国の領主でありソワソンを中心とした独自の支配地域を作った男である「投降はしない。投降するなら死んだほうがマシだ!」シアグリウスは残りの兵をおいて逃げていったようだ。まさに外道中の外道だ。なぜこんなやつに従うやつがいるんだ。とりあえず一旦落ち着いたからいいか。「国王様!気が動転してしまったのですか!」いやわかるわけがないだろう。突撃しか知らなかったのだよ。「まあいいです。まだ戦は始まったばかりですから。しっかり作戦通りやってくださいね。 」今の戦い方がわかるわけがなかろう。俺は社畜過労死だぞ。もう一回お母さんの母乳飲みたい。