苦しみとの対話⑤
1000文字エッセイシリーズ
苦しみとの対話⑤
人生は苦しいものだ。
そう悟った時、ふと体が軽くなる。
良いことばかりではない人生と云う舞台。
苦しみもあり、喜びもある。
上手くいくこともあれば、上手くいかないこともある。
ただ、生きているだけで、それは物凄く大変なことなのである。
地球上で生きている。それだけで、実は大変なことなのだ。
僕自身、苦しみを日々感じている一人の人間であります。
人生は苦しいものだ。そう悟って、またそこからスタートして。
生きていることに感謝して、日々を過ごす。
人生は重たい荷物を背負って歩いているようなものだ。
どんな人にも、悩みはあり苦しみはある。
恵まれているような人でも、実は心の奥で苦しんでいる。
いや、恵まれているからこそ、苦しいのかもしれない。
人生と云う旅路で、ふと空を見上げて。
ああ、自分はなぜ生まれてきたのだろう。と考える。
役目などあるのか、生きている意味などあるのか。
結局、死んだら全て終わりで、無に帰るのではないか。
人それぞれ悩みがあり、葛藤があり、苦しみがあり。
人それぞれ、生きる意味があり、動機があり。それで。
僕自身、何度死のうと思ったか。
一度や二度ではない。毎日、そう思って生きてきたかもしれない。
僕自身、何度命を投げ出そうと思ったか。
ただ、生きている。それだけで実は大変なことなのである。
不安な時代。不安定な時代。手に入れられないことで苦しみ。
手に入れているものに苦しめられている時代。
どこを見ても、呼吸などできないではないか。
どこを見ても。
ただ、ふと人生は苦しいものだ。これは修行なのだ。
そう思った瞬間、少しだけ体が軽くなる。
ああ、僕はどこに行くのか?
時に、喜びに満ちて、時に苦しみ。
そのサイクルをクルクルと回転して、日々を生きている。
僕は、生きている。
それで、生きているのだ。
生きているから、この苦しみはあるのである。
重たい荷物を背負い、虚無感を感じながら、それでも生きているのである。
どこに行くのか?どこに行けばいいのか?
それさえも分からないまま。
ただ、いつかふとした瞬間、全てが繋がる時が来るのだろう。
いつもそうだった。
いつも、どこかで繋がっていったのだ。
その時を信じて、僕は生きている。