第2話 元彼との再会
「ここらへんの草原とかに、薪とか落ちているから、拾ってきてくれないかな?」
「薪?
そんなものが草原にあるの?」
「薪なんて、どこにでも落ちている。
そんなことは、この世界では常識になるよ。
こういったことは、俺以外に言わないでね。
変な人の思われるからさ」
「そんなことぐらいで、変な人扱いなんて、この世界変わってるって言えるね」
「君も変わっている方だけど、まあいいや。
とにかく、集めてきてね。
俺は後で迎えに行くから」
「どうして、薪を?」
「俺とその仲間たちはこれから、戦いに行くんだ。
足手まといになるくらいなら、何か役に立つことをしたいかなって思って」
「だからって、どうして薪なの?」
「薪は、いろいろなことに使えるんだ。
戦闘用の武器に作ってみたり、家を建てることもできる」。
これからのことを考えて、薪を少しずつでもいから、今のうちにたくさん集めておきたくてさ、だけど、実際に俺たちは見回りとか戦闘訓練ばかりしていて、肝心なことに時間を使えないんだ。
ここで、君の出番ってわけ。
これで納得したなら、俺はすぐに行くよ。
いつぐらいになるのかわからないけど、すぐに戻ってくるようにするから」
私は、不満でしょうがなかった。
どうして、竜さんと一緒にいられないのだろう?
「私は、一人なの?」
「仕方ないだろう?
俺の近くにいつまでもいたいなら、そのぐらいは飲んでもらわないと。
それに、君をこのパーティーから追放するって話もでてるくらいなんだから・・・・」
「そんな・・・」
パーティーを追放されるくらいなら、この時間だけ一人という方がまだいいような気がしてきた。
「わかったら、素直に聞いてくれる・・・?」
「しょうがないから、きく。
竜さんと、ずっと一緒にいられるようにするために」
「ありがとう。
それじゃあね」
竜さんは、ドラゴンに変身して空を飛んでいった。
私は竜さんに言われて、薪拾いをしていたところに、一人の男がガサゴソと音を立てて、現れた。
「見つけた。
探したんだ、ブライド。
今まで、どこに行っていた?」
その男は、グルームだった。
私が一人でいるところに現れるなんて、最悪でしかない。
竜さんがいれば守ってくれるかもしれないけど、いつ戻ってくるのかわからない。
「グルーム、どうしてここに?」
「それは、こっちの台詞だ。
どうして、急にいなくなったりしたの?」
この様子だと、私の質問に答えてくれそうにないみたい。
だから、私はしばらく考えてから、答えた。
「退屈だから・・・・」