グルームの過去編~異常なくらいの恋愛をするようになるまで~第4話
「ブライド!」
僕は嬉しさのあまり、声をかけた。
「君は、確か、転校生の・・・」
「僕と同い年になったんだね!
うれしいよ」
「変な人。
年齢なんて変わるわけないのに、天然なの?」
そうか。
この時間では、僕とブライドは同い年で、初対面なのか。
しかも、ブライドの性格も違う。
「僕をからかってるの?」
僕の知っているブライドなら「からかってなんかないわ」と微笑むけれど、違った反応をされた。
「おかしな人。
初対面でからかうの?
マジ、萎えたわあ」
それ以来、僕はブライドに避けられるようになった。
話しかけても、逃げられる日々が続いた。
僕は、何をしているんだろう?
このブライドは、僕を好きじゃない。
僕を好きになれないブライドには、お仕置きしないと。
「ブライド」
避けようとするブライドに、僕はナイフを刺した。
ブライドは、血だらけで倒れた。
「好きだ。
大好き。
また、会おうね」
僕は、またパラレルループをした。
「今日から、転校生が来まーす!
名前は、グルーム君でーす!
皆さん、仲良くしてあげてね。
いじめとか、絶対にしないようにね?
ねえ?
ねえ?
はい、グルーム君、早速席について。
席は、ブライドさんの隣よ」
担任の先生の台詞も変わっていたし、ブライドの隣の席になるとは思わなかった。
僕が席についた瞬間、ゾッとする一言を言われた。
「あっ、私を刺し殺した殺人鬼だ」
「何を言っているんだ?」
「パラレルループしたでしょ?
私、憶えているよ。
大嫌い。
私の人生を台無しにしてさ」
僕はどこからか、ナイフを出して、ブライドを無我夢中で刺し続けた。
クラスメイトたちの悲鳴が聞こえた。
僕は、パラレルループをした。
「今日から、転校生を紹介しまーすわ!
グルーム君ですのよ。
さ、グルーム君よ。
席は、あの青髪のブライドの隣ですのよ」
先生の口調が変わっていた。
僕は、席についた。
やばい、パラレルループしちゃったけれど、ブライドはそのことを憶えているのかな?
僕は、ブライドを横目で見た。
「どうしたの?」
「なんでもない」
「不思議な人。
私は、ブライド。
初めまして。
名前は、グルームでいいんだよね?」
「僕は、グルームです。
初めまして」
よかった。
ブライドは、僕のことを知らないみたいだ。
「そんな敬語なんて使わなくても、私たちは同い年だよ?」
「うん。
ところで、パラレルループって知っている?」
ブライドは、きょとんとしている。
「パラレルループ?
何それ?」
「やっぱ、なんでもない」
僕は、胸を撫でおろした。
「自分から言い出して、なにそれ?
教えてよ」
「知らなくていいものは、知らなくていいの」