グルームの過去編~異常なくらいの恋愛をするようになるまで~第2話
「ここまでくると・・・異常・・・。
僕、正直に言うと引いたよ」
まさか、こんな趣味があるなんて・・・。
ブライドのことは、僕には理解できない。
「あたしのこと、理解できるようになる日が来るわ。
あたしの従弟だもの。
あたしは、グルーム君が好きよ」
「からかうな!」
「からかってない。
あたしは、いつでも本気よ。
あたしは、グルーム君の僕から俺に変わらないところも、あたしよりまだ幼いところも、大好きよ。
大好き、愛してる。
この先、ずっと、ずっとね」
俺は一瞬、ブライドにドキッとしたけれど、すぐに振り払った。
「ふんだ!
どうせ、そんなこと言いながら、数年後には、僕もブライドも、それぞれ別の人と結ばれちゃうんだ!」
「そんなこと、させないわ」
いつも穏やかに微笑んでいるブライドが、冷淡にゆっくりと呟いた。
「ブライド?」
「あたしは、恋愛サイコパスよ。
従弟ラブなの。
あたしは、グルーム君以外の人となんて、考えられない。
あたしは、いつでも、どこにいようと、たった一人だけの男を愛するわよ。
あたしだけの花婿様」
僕は、顔が赤くなっていくのが自分でもわかった。
「言ってろ!
僕は、絶対に相手にしないかんな!」
「かわいい。
だけど、もっと素直になってくれたらよかったのに。
あたしに愛の言葉を囁くようになったらなあ」
「ふんだ!」
幸せだ。
素直になれなくても、僕にはブライドがいてくれたらいい。
好きって、言えたらどんなにいいか。
だけど、それはまだ早いような気がしたんだ。
ある時、僕の両親の離婚が決まった。
「これから離婚することになったわ」
「へ?」
「どっちについて行くか、決めるんだ」
「どっちも、やだ!
僕は、ブランドがいい!」
「わがまま言わないの。
離婚はすでに決まっていて、ブルームには二択択一しか残されてないの」
「こんなこと言うのも、おかしいと思うけど、ブライドと離れたくないんだ。
幼い頃から、ずっと近くにいるからかもしれない。
僕は、従姉であるブライドが好きなんだ!
今すぐは無理かもしれないけど、結婚したい。
させて、ほしい。
反対するなら、すればいい。
僕は押し切る積もり書きだから」
両親はお互いに顔を見合わせて、答えた。
「ブライドのことは、これから、何があっても、どんなことがあっても守るのよ」
「離婚を誓った夫婦が言うことじゃないかもしれないが、妻となる女を最後まで守り抜くのが男だ。
その誠意があるか?」
「ある!
ないなら、最初から言わない!」
「ブライドのところに行ってこい。
守りたいものを、見つけられてよかったな。
父親として、光栄に思うぞ」
「はい!」