第9話 部屋の外は
時間がループしているとしたら、どうやって?
そんなことが本当にあるの?
考えれば考えるほど、謎ばかり。
時間がループしているなら、過去に戻ったということになるけれど、そしたら、私は両親が離婚して、お母さんのところに親権が渡っての未来になるけれど、こちらはお父さんが親権をもらってのルートだった。
もしかしたら、パラレルワールドに移動したっていう方が辻褄が合うかもしれないけれど、どれも根拠がない。
調べてみよう。
グルームはいつ、帰ってくるかはわからない。
しかも、グルームは私を置いて、どこに行っているのだろう?
そもそも、トイレくらい行かせてくれもいいはすだけど、なぜかグルームの許可がないといけないことになっているのは、どうしてだろう?
手足にリボンが巻かれている。
ここはお得意の悪知恵というもとを使って、ほどこう。
私は長い爪と、口の中にある歯を交互に使いながら、リボンをほどいた。
これは、悪用厳禁なので、みんなには秘密だよ?
ベッドの下を調べてみた。
私は監禁されてから、調べたことなんてなかった。
これって・・・・?
ベッドの下から出てきたのは、監視カメラと盗聴器だった。
どうして、こんなものが?
やばい、グルームに気づかれるのも時間の問題だ。
見た限り、電源はなさそうだけど、グルームのことだ。
どうやって、逃げれられないようにしているのかわからない。
後は調べることもなさそうなので、私はそのまま扉を開けて外にでることにした。
ここは、初めて見る光景だった。
洞窟だ。
しかも、魔物とかドラゴンがいる。
こんな生物、実際にいたんだ。
扉の外に出れたグルームは、何者なの?
ドラゴンが喋りだす。
「貴様、何者だ?」
「何者でもないです。
グルームって言う人のこと知っている?」
「グルーム?
あの人間の姿をした魔術師のことか?」
「魔術師?」
「小娘よ、この世界では有名な魔術を使い、人間世界を歪ませているのだが、知らないのか?」
「知らないです。
初めて聞きました」
「ほう、小娘よ。
どうやってここに来た?」
「グルームに誘拐されました」
「小娘よ、詳しい事情はわからないが、ここにいるのは非常に危険だ。
よければ、わしがこの場所から離れた場所まで連れっていってやろうか?
人間世界に返すことはできないがな」
「連れて行くって?」
「人間がこの魔窟にいたら、命の危険がある。
なら、せめてペガサスとか、ユニコーンの魔窟なら危険度は低い」
「はい、わかりました。
連れて行ってください。
グルームから離れられるなら、それでいいです」
「よかろう。
落ちないように、背中に乗れい」