若者の読書離れが急速に加速している?
こんにちは~!! ひだまりのねこです。
先日、直木賞と芥川賞の発表がありましたが、毎回必ずといっていいほどセットで報じられるのが、若者の読書離れ。
大学生の半数近くが読書時間ゼロだ!! 雑誌や出版社の廃業や倒産がうんぬん……。
でもね、たしかにそうなんですけど、色んなデータや調査を見る限り、あまり変わっていないのですよね。
昔から一割ぐらいの人はたくさん読書するし、読まない割合も多少増減はあってもほとんど割合は変わらない。
むしろ読書以外のエンタメが少なかった昔と違って、今は他にもたくさん娯楽があふれている。
それにも関わらず、比率はあまり変わらない。
雑誌や出版社の廃業や倒産に関してもそう。
ほかの業種と同じで、時代の変化やニーズに付いて行けず、衰退していっただけの話で。
忙しい現代人は自由に使える時間が……とかいう謎理論を持ちだす人もいますけれど、様々な機器の進歩でむしろ自由に使える時間は格段に増えているのでね。
読書しないのはけしからん、国家の危機だ!! と言いたい気持ちはわからないではないんですよ? けれど、読みなさいと押し付けるのはあまりよろしくない。
本来エンタメであり上質な娯楽であるはずの読書が、義務や勉強の延長になってしまっては、読書嫌いを増やしてしまうだけだと思うのです。
私は小さい頃から一日中本を読んでいるような子どもでしたが、学校の国語の時間や読書感想文が嫌で、大好きだった読書が嫌いになった時期があります。
同じように大好きだったお絵描きも、美術の授業のせいで嫌いになって描かなくなりました。最近また始めましたけどね。
良かれと思って与えようとする気持ちは、かえって遠ざけるきっかけとなりかねないのです。
読書をしなければロクな人間にならない。
そんなことはありません。
むしろ現実にしっかりと向き合って生きてきた立派な人はいくらでもいます。
読解力の低下が……。
読解力は適切な訓練によって鍛えられるもので、自由な読書体験とはむしろ相性が悪い気がします。
では、読書はしてもしなくても良いのか?
私はそう思っています。
読書はあくまでエンタメであり、娯楽であるというスタンスです。
食事や睡眠と違って、しなければ死ぬということも無いのですから。
ですが、娯楽やエンタメは、豊かさや幸福感といった人間らしさを維持するためには必要なものだとも思います。
情報や変化の洪水の中で生きている私たちは、どうしても今日を生き抜くために目の前のことに囚われがちです。これはある意味で仕方がないことかもしれません。
いち早く動くために、より効率的に、より短時間で。
大量の作品が投稿される小説投稿サイトでも、より一話が短く隙間時間で読めるもの、長編よりもすぐに結末がわかる短編の方が読まれやすい傾向もはっきりしてきています。
情報に関する効率性では読書は動画に太刀打ちできません。
名作の要点がつかめるまとめサイトや、解説動画なんていうものもありますし、会ったことも話したことも無いような人の書いた、読んでみなければ面白いかどうか、自分の求めている内容かどうかわからないようなものを、自分の時間を使って、しかも活字を読まなければならない。
ハードル高いですよね?
1000円の本で、読むのに半日かかるとするなら、1000円+半日分の時給分の価値があるかどうかの天秤にかけられてしまう。
つまり、読書を娯楽と考えている人と、情報収集、話題作り、教養の一環としか考えていない人では、まったく話がかみ合わないのです。
だから親が、勉強になるから本を読みなさいと言っても、多分伝わらない。勉強なら動画で学んだ方がよほど早いし、効率的ですからね。
では、読書は時代遅れなのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
人間の本質が古代から変わっていないように、読書という娯楽が無くなることはないでしょう。
テレビ、動画、アニメ、ゲーム、映画、漫画……様々な娯楽がありますが、読書は圧倒的に視覚情報が少ないのです。
しかも受け身ではなく、自分から能動的に関与しなければ快感を得られない。
ここが他の娯楽との最大の違いであり、欠点であり、同時に読書体験の優れている部分でもあると思うのです。
つまり、すべてを想像しながら読むしかない、だからこそより深く自らの意志で関わろうとすることで深い疑似体験が出来る。まるでその場に自分自身がいるような感覚。
もちろんゲームや映画だって似たような経験は出来ますし、見たい動画ややりたいゲームは自分で選んでいるんだからある意味十分能動的だと言えるとは思いますけどね。
まあ、読書体験は他では味わえない、似て非なるものですよというだけの話。
読書の本質とは、情報取集ではなくその深い没入体験そのものにあるのです。
一言で言えば、深さが違うのだよ、深さが!! フハハハ!! ということですね。
一方通行ではなく、魂の対話なんだという感覚……伝わりますかね?
読書は、他者の人生や思考様式を追体験することで、それを自分の知恵として取り入れることができます。
読書しない人に無理強いすることはしませんが、知らないだけならもったいないとも思います。
ふむ……私なんかが言うよりも、偉人の名言でもご紹介したほうが説得力ありそう。
宝島の海賊たちが盗んだ財宝よりも、本には多くの宝が眠っている。そして、何よりも、宝を毎日味わうことができるのだ。 / ウォルト・ディズニー(実業家)
良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである。 / ルネ・デカルト(数学者・哲学者)
本をよく読むことで自分を成長させていきなさい。本は著者がとても苦労して身に付けたことを、たやすく手に入れさせてくれるのだ。 / ソクラテス(哲学者)
無理に読書する必要なんてないのです。読みたくなった時、偶然出会ったとき、それがあなたにとってのタイミング。私はそう信じています。
最近、本は最低数百ページあって、長すぎるから読まれない、もっと細切れにして売ろうみたいな話を聞いたのですが、それはどうかなと個人的には思っています。
だって、それじゃあ「薄い本」になってしまうじゃないですか。ふふふ。
本は自分のペースで読めるから良いのであって、長さは関係ない。栞をはさんだり、戻って読み返してみたり、少しずつ味わって読むのが一番楽しい。
時代がどんなに変わったとしても、結局継続した人が強くて最終的に成功する。
たった一つだけであっても、磨き続ければそれは輝きを放ち大きな価値を生む。
小さなことでも自分のペースでコツコツと。
簡単なようでなかなか難しい。
読書はそんな大切な習慣を育んでくれるような気がします。
最後に稀代の天才が残した名言を。
想像力は知識よりも大切だ。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込み、進歩を促し、進化を生む。 アルベルト・アインシュタイン / 物理学者
皆さまに良い本との出会いと導きがありますように。