どうも!こちらは異世界初心者必見!異世界転生どこでもマニュアルとなっております。より良い異世界ライフを送るためのサポートをしております!!
「ようこそ、異世界転生マニュアルへ。ここでは異世界というもののあれこれを案内しております。おや?あなたはもしかして異世界は始めてですか??」
長い髪の背の高い眼鏡の女性はスーツ姿でそう言いながら眼鏡の真ん中をあげる
その女性の目の前の3人ほどの男女にニッコリと笑顔を見せた。この三人は死んで異世界へと行く途中。そこにこのスーツの女性がその3人に異世界のあれやこれやを享受しているのだ。
ここは異世界マニュアル。いわば異世界へ行くためのチュートリアルというやつだ。異世界が初めてだと少し困惑するかもしれないのでこのようなものが設けてある。
「まず異世界とはなんぞや?と思う人もいるでしょう。まずそこから説明しましょう。異世界というのは...」
そこから長ったらしい説明が始まる。誰もが知ってそうな異世界というものについてなど様々な事柄を説明してくれた。魔物がいて...レベルやスキルと言ったファタジーもの定番があり...などと色々と説明を説明をした後、その後スキルという文字が書かれた紙をたくさん置いた。
そこには様々な能力が描かれていて、どれもチートと言えるほどの力だった。
「まずは異世界に行く前にここからチートスキルというものを選びます。お好きなものをどうぞ!」
異世界にありがちなチートを目の当たりに3人の男女は困った顔をしながらうーん、うーんと唸っている。どれも魅力的なものが多くて選ぶことができないのだ。
「私これにする!!」
「じゃあ俺はこれ!!!」
「僕はこれかな...」
「選びましたね?では続いて異世界での暮らしについて説明致します。そこではどんな暮らしをしてもOK!うるさい上司も、仕事もないので魔物を倒す冒険者になるのもよし!スローライフで暮らしていくのもよし!ハーレムしてウハウハするのもアリ!!!」
「ハーレムだって!?」
「もう上司に怒鳴られなくていいのね!」
「そのチートスキルを振るって英雄になったりチートスキルを隠してやれやれ...とやってもいいですしそれはあなたの自由!!!」
「あの...」
気の弱そうな男がそう言いながら手をあげる。チェックの服の頭ボサボサで痩せ細った感じの男だ。
「もし、もしですよ?そこで死ぬような事があったら...」
「ご安心ください!心地よい異世界ライフを楽しんで頂けるようにちゃんと生き返るようになっております。それも無制限!!死ぬとその世界の教会というところに飛ばされそこから復活してやり直す事ができます。もちろん失うものも何もありません」
「よかった」
「なので安心して異世界ライフを楽しんでくださいね」
「はい」
「あの...」
今度はもう一人の男が話しかけてくる。こちらは何だか訳ありという感じがする。その人にもスーツの女性はニッコリと微笑みかけて「なんでしょう?」と言った。
「俺...生前に過去に戻って自分を...そんな俺でも大丈夫でしょうか??」
「はい」
「よかった...」
誰もが色々と事情を抱えているものだ。だがそんなものは異世界には関係ない。異世界はみんなが平等に等しくより良い生活を送る事ができるのだ。
「さて、じゃあ異世界に行ってみましょうか!!」
そういうと3人の体は浮き始め上に上にと浮かんでいく。その速さはどんどん早くなっていき、しばらく浮かんで異世界へと送られていった。スーツの女性はその様子を見ながら笑顔で手を振っていた。
「ここは異世界?」
気の弱い男のついた場所は原っぱだった。あたりを見回すとスライムやら何やらが生息している。本当に異世界という奴に来てしまったのか...。と考えていると、どこからかあのスーツの女性の声が聞こえる。異世界転生を終えてしばらくの間は初心者をサポートしてくれるのだ。
「では皆さん、異世界についたらまず何をしますか?」
全員にこのスーツの女性の声が聞こえていて、その全員がその答えを知っていた。スーツの女性は「せーのでいきますよ?せーの」というと、3人とも同じ言葉を口にした。
「「ステータス、オープン!!」」