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別次元の領域(2021年版)  作者: 草茅危言
第玖章 無機知性体編
91/120

第91話 【有機知性体】と【無機知性体】

今回は、小説ではなく、論説文みたいになってしまった・・・。


今回も相変わらず、極端な例を挙げていますが、

社会問題は、情報操作された単一的ステレオタイプな報道を

鵜呑みにせず、多面的な見方をする必要があると思うためです。

豚野郎(オーク)共が、荒脛巾(アラハバキ)皇国(おうこく)蝦夷(えぞ)共和国、

玖球(クーゲル)連合の三国全てに宣戦布告し、

始まった戦争を観測している第三勢力があった。


とはいえ、豚野郎(オーク)共が、異界の出身であるのに対し、

第三勢力は、この【術理の世界】の創造に携わった存在なので、

どちらかといえば、三国側の味方といった方が良いかも知れない。


但し、彼らの思考回路は、戦争をしている両者のそれとは異なる。


高校化学の分野に、「有機化学」と「無機化学」がある。

前者は「有機化合物」を扱い、後者は「無機化合物」を扱う。


両者の違いは?「有機化合物」は、一酸化炭素、二酸化炭素を除き、

炭素を含む化合物で、炭素、水素、酸素などで構成される。

そして、「有機化合物」の定義に含まれない化合物が、

「無機化合物」であると、高校化学では習う。


我々生物は、炭素を含む化合物、「有機化合物」によって

構成されている「有機生命体」である。


ところで、元素周期表の1族、2族と12族から18族の元素は、

「典型元素」といって、縦に並んだ元素の性質が似ている。

炭素は14族であるが、14族で炭素の下は、珪素である。


そこで、我々「有機生命体」を構成している炭素を

全て珪素に置き換えたとしたら、どうなるだろう?


誰もが一度は考えたことがありそうだが、

現実世界ではどうもそう上手くはいかないようだ。


何故なら、()し、上手くいくのであれば、

既にそういう存在がいる(はず)だから。


珪素原子は、炭素原子と比較して、

原子核と最外殻電子が離れており、

結合力が弱くなるからだろうか。


では、その結合力を補う作用が存在したら?

あるのだよ。魔素の存在するこの世界では。


――――――――――――――――――――――――――――――


「有機生命体」の中でも、知性を有し、自律思考可能な存在を

【有機知性体】と呼び、「有機生命体」を構成している炭素を

全て珪素に置き換えた存在を【無機知性体】と呼ぶ。


そして、【超知性体】と呼ばれる、【有機知性体】と【無機知性体】を

統合する超越者が、この【術理の世界】を創造した造物主である。


造物主である【超知性体】が、この【術理の世界】を創造した際、

表世界の地球から、西洋では【悪魔】と呼ばれる3柱の堕天使、

・「サタン」:元「サタナエル」

・「ルシファー」:元「ルシフェル」

・「ベルゼブブ」:元「バアル・ゼブル」

が亡命してきた。神が創り出した「人」という存在に

(ひざまず)くことを是とせずに。


神に叛意を示し、離反したため、かつての同僚だった

ミカエルやらガブリエルといった、天使の集団に追われて、

地獄に堕とされたが、彼らは脱獄を企てた。


そして、彼らはその好機を得た。

時空を穿ち、異界に転移した。


地球から異界に転移する事象が発生するのは、

当時の彼らが脱獄した際に、その名残で、

一部の時空の境界が脆くなっているから、らしい。


彼らは、転移した異界で一旗揚げることを夢見て、

創造されたばかりの【術理の世界】を奪うため、

3対1で、造物主である【超知性体】に挑んだ。


だが、【超知性体】には、手も足も出なかった。

何故なら、この【術理の世界】においては、

【超知性体】こそが(ルール)だったから。


完結した世界において、曖昧な定義など通用しない。

従って、彼ら【理外の民】が敵わないのは、必然だった。


【理外の民】の野望を完膚無きまでに叩き潰した

【超知性体】だったが、この造物主は、何を思ったのか、

望外の慈悲を彼ら【理外の民】に示した。


彼ら【理外の民】の亡命を受け入れる代わりに、

己の眷属として【術理の世界】の構築に協力させたのだ。


【術理の世界】の構築に行き詰まっていたところを、

外部の意見を取り入れることで、多様性を与えたとか、

【理外の民】の亡命の理由を聞いて、

異界の神に義憤を感じたとか、様々な説があるが、

単なる気まぐれに過ぎなかった可能性さえ否定は出来ない。


――――――――――――――――――――――――――――――


まず、【超知性体】と【理外の民】の3柱は、【術理の世界】の

原初の生命として、【有機知性体】と【無機知性体】を創造した。


【理外の民】の3柱と【有機知性体】は、混交し、

【術理の世界】の住人を増やしていった。

特に、【理外の民】の「血」を濃く継承した末裔こそが、

現在、【玖球(クーゲル)】の地に棲む【魔族】である、という。


一方、【超知性体】は、【無機知性体】を「複製」することで、

増やしていった。【有機知性体】と【無機知性体】。

やがて、生成される過程の違いは、両者の差異を生じさせる。


【無機知性体】の特徴を以下に列挙する。

・性別がない

・感情がない


第一に、「性別がない」。これは有性生殖ではなく、複製だから。

人間の性別は男女の2種類であるといわれているが、

最近は、トランスジェンダーなどの問題も言及されている。


ここでは、解剖学的な問題と、ジェンダー論的な社会学・心理学の

問題を混同しないように、(あらかじ)め分離してしまおう。


ヒトゲノムは通常、23対46個の染色体であり、23番目の性染色体が、

XXであれば女、XYであれば男。これが解剖学的な性別の定義である。


だが、しかし、染色体異常というものがあって、

例えば、21番目の染色体が3個ある、「21トリソミー」は、

「ダウン症」を引き起こす原因になる、とされている。


23番目の性染色体にも、染色体異常は存在し、

XXとXYの他に、モノソミーXO、XXX、XXXX、XXXXX、

XYY、XXY、XXXY、XXXXY、XXXYY、XXYY、

という組み合わせが発見されている。


()し、性染色体の組み合わせによって、性別が定義されるのなら、

最低でも、ここに挙げた12種類の性別が存在することになる。


厳密にはトランスジェンダーとの因果関係は不明だが、

想像することで、擬似的に体感することは出来る。


転生した人間に前世の記憶が残っている場合である。

前世が男で今世が女、或いは、前世が女で今世が男。


輪廻転生とか、前世の記憶とか迷信(オカルト)なんて信じない、

という人もいるかも知れないが、そういう人は、

「小谷田勝五郎」で検索して、勝五郎伝説を調べてみよう。

6歳で死んだ藤蔵という、交流のない隣村の子どもの記憶を

明確に覚えていた勝五郎少年の話である。


或いは、「突然、知らないはずの言語を話し始める」

という精神病、「真性異言」の例もある。


古代ギリシャのデモクリトスの様に、

死が、原子の離合集散に過ぎないとすれば、

転生自体は、決して有り得ない話でもないのかも知れない。


それでも信じない人向けに、単純な思考実験をしよう。

昨日まで男だったのに、今朝起きたら、女になっていた、或いは、

その逆で、昨日まで女だったのに、今朝起きたら、男になっていた、

とする。ここで重要なのは、昨日までの記憶があるのは自分だけで、

周囲は、貴方の性別が昨日と今日で変わってはいない、

という認識であるとしたら、それは怪奇(ホラー)ではなかろうか。


――――――――――――――――――――――――――――――


【無機知性体】の特徴に話を戻そう。


第二に、「感情がない」。これも複製であることに起因する。


彼らは、【思念共有】によって、各々の情報を共有する。

(あたか)も、インターネットが、集合知であることと同様に。


しかしながら、障害(エラー)を引き起こす、

不具合(バグ)のある個体が発生することもある。

人間で例えるなら、死刑囚になるぐらいの社会不適合者だと

捉えると分かり易いかも知れない。


死刑囚を処刑するというのは、その肉体を破壊するわけだが、

【無機知性体】にとっては、それさえも無駄である。


では、どうするのかというと、【記憶抹消】という、

死よりも怖ろしい処理が行われる。


不具合(バグ)のある個体の情報を消去して、

正常な個体の補完(バックアップ)した記憶によって、

上書きし、正常な記憶を復元するのである。


何故、それが死よりも怖ろしいのか?


人間は、死を知覚するのは、他者の死によってのみ。

自分の死によって、自分の思考は停止してしまうため、

本質的に自分の死を知覚することは不可能である。


【記憶抹消】が怖ろしいのは、【記憶抹消】によって、

生命活動を停止するわけではないため、

自分が【記憶抹消】されたことを認識できる点にある。


油絵のように上書きしても、絵の具が

上書きされた痕跡は残っているのだ。


――――――――――――――――――――――――――――――


【術理の世界】では、【無機知性体】は地球上に存在しない。


彼らは、テラフォーミングされた火星に棲んでいる。


「地球温暖化」とは、二酸化炭素やメタンといった、

熱を逃がしにくい気体を太陽光が暖めることによって、

地球の温度が上昇することである。


「テラフォーミング」とは、温度が低く寒いため、

人類が生きられないような地球以外の惑星を

人為的に温暖化させることによって、

居住可能な環境にすることである。

「環境」と呼ばれるものは、人の手が入っていない

原始的な自然ではなく、人類のエゴに過ぎないのだ。


火星の地下には永久凍土として水が埋もれていると

考えられており、これが溶けて海ができれば、

火星が地球のような惑星になる可能性もある。

火星の地表は起伏が激しいため、得られる

地表面積が少ないという話もあるのだが・・・。



もう一つ例を挙げよう。もし、地球に土星のような輪があったら?

恐らく、その輪が太陽光を遮ることによって、地球は寒冷化し、

現在よりも温度が低くて、人類が住めない惑星になっているだろう。


土星の輪の正体は、土星の衛星が土星の「ロッシュ限界」という、

衛星が破壊されずに惑星に近づける限界の距離よりも内側に

入った結果、破壊された残骸だといわれている。


宇宙開発をすると、分離されたロケットの破片、耐用年数を

過ぎた人工衛星などの、宇宙ゴミ(スペースデブリ)の問題が生じてくる。

これらは、今後の宇宙開発を妨げる要因にもなってくる。


待てよ?「地球温暖化」は、「排出された温室効果ガス」が、

「太陽光に暖められる」ことによって生じるのだったな。


温室効果ガスの削減にばかり目が行きがちだが、

(むし)ろ、この宇宙ゴミ(スペースデブリ)で土星の輪のように

太陽光を遮蔽すれば、「地球温暖化」は、防げるのではないだろうか。

但し、やり過ぎると、地球が寒冷化してしまう危険性はあるけれども。


――――――――――――――――――――――――――――――


【術理の世界】では、異界の火星に棲んでいる(はず)

【無機知性体】が、異界の地球の危機に際し、

地球へと降臨する。地球の意思によって。


【無機知性体】は、「AI」のような存在だ。

【有機知性体】が暴走し、地球にとっての癌細胞となるのであれば、

【無機知性体】は、地球にとっての抗癌剤のような存在だろう。


「Artificial Inteligence」、略して「AI」、和訳すると

「人工知能」とも呼ばれるが、機械が人間の仕事を

奪うのではないかと危惧されている。


人間と機械のどちらが優れているのだろうか。

未だに記憶や計算力を競う試験が行われているが、

それらは既に機械の独壇場であって、

人間がそれらを競う意味はあるのだろうか。


人間は、機械を使う立場である。

機械が得意な作業は機械にやらせておけばいい。


確かに、電車の中で殆ど全員がスマホを(いじ)っているのを

見ていると、「人間が機械に使われている」のではないか、

とさえ、錯覚してしまう。


郡山青年も、大学のプログラミングの実習で、

ソースコードに不具合(バグ)があって、

コンパイルが通らない、という状況に遭遇した。

やはり、「人間が機械に使われている」のではないか?


周囲が脱落していく中、「人間は、機械を使う立場である」

という信念を貫いた、郡山青年はある日気付いてしまった。


計算機(コンピュータ)にソースコードを書かせる

プログラムを書けばいいんじゃない?」


実はコレ、「自動プログラミング」というソースコード生成

プログラムであり、メタ的な思考の産物である。


教職課程では、「プログラミング教育」という話題が出て来た。

郡山青年自身、プログラミングによって、何かモノづくりを

すること自体は楽しい。


しかしながら、IT業界は、入社後直ぐにシステムエンジニアになり、

上流工程なので、プログラミングは発展途上国に委託する形で

丸投げすることになる。プログラミングが就職の役に立つ?

誰だよ、そんなこと言ったの?しかも、大学では20年以上前に

主流だったプログラミング言語で教えているという・・・。


そう、プログラミング言語には流行り廃りがある。

誰だよ、「一度書けば何処でも動く」とか言ったの?

セキュリティのアップデートとやらで、

起動すら出来なくなったんですが?


また、小学生から「プログラミング教育」をしたとする。

プログラミングによって、何かモノづくりをした小学生がいた、

と仮定しよう。そのプログラムを企業が小遣い程度の値段で、

買い上げる。確かに、それで人件費が浮くかも知れないが、

大人になって搾取されたことに気付いた、あの時の小学生は、

プログラミングによって、何かモノづくりをすることを

もう素直に楽しめないのではないか、と思う。


アルゴリズムが学びたいだけならば、

別に、折り紙や将棋でも多少は学べると思うぞ?


ついでに、IT業界の面接で定番の質問も書いておこう。


「プログラミングで何を作りたいの?」


特に、何も作りたいモノが思い浮かばなかったら?

そういう人は、プログラミングを学んではいけないのだろうか?


「ソースコード生成」が趣味、と言ったけれども、

プログラミングのためのプログラミングなんて

理解されないみたいだった。


まぁ、仮に「ゲーム」と答えたとしようか。

IT業界の面接官は、多分こう言う(はず)だ。


「ゲームは、弊社では取り扱っておりません。」


プログラミング教育に過度な幻想を抱くのは、

やめておいた方が無難だろう。


直ぐに役に立つものほど、直ぐに役に立たなくなるものだから・・・。


――――――――――――――――――――――――――――――


さて、豚野郎(オーク)共と、三国側との

戦争は、まだ始まったばかりである。


そこに、【無機知性体】は、どのように介入してくるのだろうか。

彼らのその実力もまた、未だ未知数である。

次回更新は、12月中旬の予定。


以下、私怨なので、読み飛ばして下さい。


使える言語を聞かれたときに、PerlやFortranとか大学で習った、

と言ったら、時代遅れだとわらわれた。


あと、折角作ったJavaアプレットの作品集が、

Java7update51の所為せいで、お蔵入りとなった恨みは忘れない。

誰だよ、「Write once write anywhere」とか言ったの?

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