第80話 妖刀クライオスと魔剣ガルバノス
今回は、前半が本編。後半が第漆章のまとめ。
本章を執筆していて筆者が学んだこと:
細かいことだけれど、「凶暴」と「狂暴」の違いなんて、
あまり、普段意識することはないからなぁ・・・。
例えば、「意志」と「意思」、「転移」と「転位」とか、
どちらでも意味が通じることも多いし。他にも、「烏」と「鴉」。
使われている素材によって、「盾」と「楯」、「鎚」と「槌」。
これらも気を付けて書くようにしています。
誤字・脱字・衍字。
ゲームのシナリオライターによっては、非常に多い。
しかも、そういういい加減な輩に限って、
専門学校の講師をしていたりします。
行頭禁則に行末禁則。これもシステム側で処理出来るとは
限らないので、投稿者自身が気を付けるべきかも。
常井氏は、ネメシス・ダムドを好敵手として認めてはいるが、
この型破りで破天荒な異端児の、その自由過ぎる振る舞いに関しては、
為政者として如何なものか、と思っている。
この脳筋が帝位を退くことだけなら、
いずれは必ずそういう時が来るだろう。
しかし、帝政そのものが崩壊し、玖球帝国が、
玖球連合になる、という場合は、
より多くの者がその影響を受けるだろう。
勿論、この脳筋と雖も、時代の趨勢を鑑みて、
力で他の種族を束ねるという帝政自体が、
限界に近づきつつあることを悟っていたのだろう。
徐々に、連合政権への移行へと政策転換をしている傾向自体はあった。
この二人との邂逅自体は、そのきっかけに過ぎないのであろう。
だが、その邂逅によって、この場にいる者達全員の関係が
大きく変わりつつあった。
常井氏は、ネメシス・ダムドが憑依した影響で、
意識が朦朧としている郡山青年に近づく。
「大丈夫かね?いや、愚問だったな。さぁ、検診の時間ですぞ。」
郡山青年は、余剰となった魔力を【読心の宝珠】に流す。
「はっ・・・俺は何を?何故、常井学長がここに?」
「どうやら無事のようですな。憑依の影響で、
暫く意識が朦朧としていたようだがね。
そして、新しい技能を習得したようだぞ。」
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【地獄耳】:聴力上昇。但し、聴覚過敏になるため、
片頭痛などの弊害が生じることもある。
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「副作用を伴う技能か・・・乱用は禁物だな。」
一方、ネメシス・ダムドは、弓削青年に妖刀【骨無双】を進呈する。
但し、妖刀【骨無双】―真打―ではなく、影打だが。
「この妖刀【骨無双】をお前にやろう。試してみたいことがある。
病みエルフの魔力を全開にして、この妖刀に注ぎ込んでみてくれ。」
「極低温の瘴気!!」
この瞬間、妖刀【骨無双】は、妖刀【クライオス】として、新生した。
また、常井氏は、魔剣【ガルバノス】を調べていた。
「ペルチェ素子が使われていることから察するに、
ゼーベック効果により、火属性を雷属性に
変換しているのか・・・そして、動力源を担っているのは、
スターリングエンジンか?【パウリ効果】で破壊されてはいるが、
原理としては難しくはない。修復は可能だろう。」
熱を電気に変えるのが「ゼーベック効果」、
ゼーベック効果を示す物質が「ペルチェ素子」であるが、
熱を電気に変える仕組みとしては、
他にも「スターリングエンジン」というものがあり、
その熱効率は「カルノーサイクル」に近い。
実は、「スターリングエンジン」は、
日本の技術が進んでいる分野でもある。
地熱資源の豊富な日本にとっては、
極めて有用な技術であるという
ことも関係しているのだろう。
勿論、常井氏が学長を務める【登戸研究所】の付属校でも、
「ゼーベック効果」と、「スターリングエンジン」を教えている。
紛らわしいことに、「スターリング数」や、
階乗を冪乗で近似する「スターリングの公式」を発見した、
「ジェームズ・スターリング」と、スターリングエンジンを
発明した発明家の「ロバート・スターリング」は別人である。
同様に、「ベルヌーイ数」を発見した「ヤコブ・ベルヌーイ」と
流体力学の「ベルヌーイの定理」を発見した
「ダニエル・ベルヌーイ」も別人である。
因みに、ヤコブの弟のヨハンの子がダニエルである。
「ローレンツ力」や「ローレンツ変換」を発見した、
「ヘンドリック・ローレンツ」と、
「ローレンツ方程式」を発見した、
「エドワード・ローレンツ」も別人。
「ランダウの記号」を広めた「エトムント・ランダウ」と、
「理論物理学教程」の著者である「レフ・ランダウ」も別人。
理系であっても、少しは歴史を学んだ方が良いだろう。
この辺りは結構、物理学科出身でも勘違いしている人が多いから。
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さらに、調べてみると、妖刀【クライオス】と魔剣【ガルバノス】には、
武器自身に込められた魔力を解放して、発動可能な技能があった。
妖刀【クライオス】の技能は、【寒中波】。
この技能【寒中波】は、対象を凍て付かせる。
氷属性の奥義である極低温の瘴気よりは、威力が劣るものの、
その簡易版としての利用が期待できそうである。
魔剣【ガルバノス】の技能は、【絶縁破壊】。
通常、電気を通さない物質は、電気を溜める性質を持ち、
前者の性質から、「不導体」や、「絶縁体」、
或いは、後者の性質から「誘電体」と呼ばれる。
だが、絶縁体であっても、過剰な電気を流し続ければ、
物質の構造は破壊されてしまう。その現象を「絶縁破壊」と呼ぶ。
この技能【絶縁破壊】は、文字通り、過剰な電気を流し込んで、
「絶縁体」であろうとなかろうと、対象を破壊するという技能である。
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第漆章のまとめ。主に作中の固有名詞について紹介。
【玖球帝国の住民達】
★は本章で初登場。☆は本章では未登場、次章で登場する予定かも?
・ノワール般若:猫又の決闘士。
★ウヌクアルハイ:蛇系の獣人である、
地雷原での掘り起こし作業の現場監督。
・ドンザ・ウルス:玖球帝国四天王。都市探索協会本部長。
恐竜人間。
・鼠のチュー兵衛:齧歯族の剣豪。
・ネメシス・ダムド:玖球帝。マンティコアノイド。
・ボルゾ・イぞい将軍:玖球帝国四天王。狗族。
・警備員のケヴィン:牛頭の戦士。
☆スサノオ・ニーチェ:玖球帝国四天王。
南方の島々を治める領主であり、空軍の幹部でもある、
「朱雀」と「鳳凰」の合体種、【朱雀鳳凰】種の鳥人。
【式神】
牛頭:全身に大火傷を負った、警備員のケヴィン。
弓削青年は、瀕死状態だった彼を回復・治癒・蘇生の印を刻んだ
護符に封印し、牛頭の型紙に封印されたケヴィンは、
彼に眷属化し、その式神となった。
【魔導具】
魔剣ガルバノス:マンティコアノイドの膨大な魔力を流し込んで、
新生した聖剣【電動鎖鋸】。
技能【絶縁破壊】を発動可能。
妖刀クライオス:病みエルフの魔力を注ぎ込んで、
新生した妖刀【骨無双】。技能【寒中波】を発動可能。
【技能】
重ねの響き:僅かに周波数を変えて、二重に放たれた超音波による
「うなり」が、本来、人の可聴音域外の周波数を鼓膜に叩き込んで、
平衡感覚を狂わせ、怯ませる、音属性の技能。
熱い棍棒:豚野郎共の技能。相手に焼き印を入れる。
殴りたいゼーション:「殴りたいぜ」と「~化」という意味の英語
を融合させた名称の、この豚野郎共の技能によって、
元々「凶暴」だった連中が「狂化」することで、より「狂暴」になる。
地獄耳:聴力上昇。但し、聴覚過敏になるため、
片頭痛などの弊害が生じることもある。
寒中波:妖刀クライオスの技能。
対象を凍て付かせる。極低温の瘴気の簡易版。
絶縁破壊:魔剣ガルバノスの技能。
文字通り、過剰な電気を流し込んで、対象を破壊する。
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【掛詞】
玖球帝国内での伝統とされる、「洒落」。
・「今日のキセイは痛いぞ~」:「帰省」と「寄生」と「規制」
・「レイハイの時間だ~」:「礼拝」と「冷杯」と「零杯」
・「ああ。キョウジンだな。」:「強靭」と「狂人」
・「セイケン」の崩壊:「聖剣」の崩壊と「政権」の崩壊
・「聖剣は、マケン。」:「魔剣」と「負けん」。
「聖剣が魔剣になった」ことと、「聖剣は負けない」ということ。
本章にて、主人公組二人と玖球帝との対決が決着。
次章は、前半が玖球帝国編の続きから。
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