第26話 空からの猛攻
【蛇蝎森林公園】で、【メデューサ・ゴルゴン】を楯に吸い込む形ではあるが、眷属化?することが出来たので、銅貨2枚を支払い、モノレールに乗って、【登戸研究所】に行き、蒐集した薬草の鑑定を待つ。
結果、銀貨8枚を獲得し、現在の残高は、金貨14枚、銀貨24枚、銅貨19枚。他にも戦利品として入手した、【般若の仮面】と【義眼型レーザーポインター】を鑑定して貰い、次の結果を得る。
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【般若の仮面】
装備時、武力が上昇する。
【義眼型レーザーポインター】
クラス4のレーザーポインター。
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【武力】とは、武術攻撃の威力と考えて構わない、とのこと。
しかし、全てが繋がっているのだと感じる。巨大蜘蛛を斃して、それが八岐大蛇の贄となり、八岐大蛇の加護である【蛇語上級】が、【メデューサ・ゴルゴン】戦で役に立ち、今度は、その【メデューサ・ゴルゴン】の石化能力を使って、【九尾の火狐】を討伐しようというのだから。
常井学長の今週の3コマ分の報酬として、銀貨12枚を渡される。現在の残高は、金貨14枚、銀貨36枚、銅貨19枚。また、次回の講義は2週間ある、というので、以前、【鞍馬天狗】の話に出てきた、【八咫烏天狗】との契約に挑戦してはどうか、という。
「契約には色々とあるが、人間同士なら、【アンダの誓い】という義兄弟の契りがあって、互いの皮膚に直接【刻印術】で術式を付与する。」
『アンダの誓い』というのは、確か昔のモンゴルの慣習で、盟友同士が、互いの血で入れ墨をする、と聞いたような・・・。
「『カラス』には、2種類ある。一つは『烏』で、眼と体の色が共に黒で同系色のため、眼が無いように見えることに由来する。もう一つは『鴉』で、ガーという鳴き声から、牙という偏を付けたことに由来する。どちらも【八咫烏天狗】の眷属だが、最近は、増殖しすぎて、害鳥駆除の対象となっている。道中、【陰陽術士】としては、極力、駆除依頼を受けてほしい。」
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[討伐依頼] 烏、及び、鴉の討伐
・場所:【陸番道路】
・条件:護符に封印し、型紙化された状態
・報酬:1羽につき銀貨3枚
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「護符に封印し、型紙化した状態のまま納品してほしい。召喚して、式神として眷属化するのは、こちらで行う。調教すると、伝書鳩の代わりになるので重宝している。」
「この世界の通信手段というわけですね。」
「この世界には、君たちの世界でいう、携帯電話、自動車、テレビは存在していない。享受する利益よりも、もたらす弊害の方が多いからな。但し、公衆電話は存在するぞ。テレフォンカードを差し上げておこう。交通系ICカードのようなチャージ式だ。【登戸研究所】は勿論、駅や図書館や読書喫茶には、パソコンのようなものと、公衆電話とテレフォンカードのチャージ専用機がある。」
テレフォンカードを貰った。
「あと、これは私からの餞別だ。君とは高度な学術的会話を愉しめる、数少ない存在だ。贈り物としては如何なものかと思う程の粗品だが、是非受け取ってくれたまえ。何かの役には立つだろう。」
黒曜石のナイフを貰った。
「『川崎市営地下鉄』で、『川崎』か『新川崎』まで戻り、別方面に分岐している路線に乗ると、『相模原市』まで直通だ。【八咫烏天狗】は、【八高山】に出現するという。『相模原市』から、【陸番道路】沿いに行けば、いいだろう。」
【八高山】は、この世界版の『八王子』+『高尾山』のようだ。
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銅貨8枚を消費し、『川崎市営地下鉄』に乗り、相模原に到着する。現在、午後1時頃。残高は、金貨14枚、銀貨36枚、銅貨11枚。
常井学長に支給された、『野営用の食料』を消費する。中身は・・・竹皮で包まれたわさびにぎり&生姜、乾燥芋、食用煮干し、ブルーベリーの飴等。
その後は、「相模原市」の拠点で、情報収集する。この世界の【街田】―表世界の『町田』と区別するためにこう書くらしい―付近で、『烏』か『鴉』かは分からないが、『カラス』を見掛けた模様。
八咫烏は、足が3本で、表の世界では、神武東征を導いたとされる所以から、
吉兆とされるが、かつての朝敵側が治めるこの地では、逆に、凶兆とされる。それでも2600年も経ったので、あまり気にしてはいないらしいのだが。
【陸番道路】は、相模原から『橋本』、【八高山】へ向かう方面と、反対に、『古淵』、『相模大野』、『つきみ野』を通って、【肆番道路】と交差する方面がある。
『カラス』の討伐依頼を遂行するため、後者の方向へ【陸番道路】を進み、【街田】方面に向かう。午後4時30分頃、現地に到着。三羽烏が出現した。
「出でよ、【鵺】!【鎌鼬】を発動!」
鵺は、風属性系統の技能【鎌鼬】を使えるようだ。三羽烏は、羽を切り刻まれ、左右の均衡を崩され、飛行能力を奪われる。羽はまたすぐに生えてくるらしいが、暫くの間は飛翔できまい。
あっという間に、三羽烏は、3枚の護符に封印され、護符は3枚の型紙となった。
今度は来た道を逆方向へ。午後8時。今日はもう遅いので野営。
「【コンテナ】召喚!」
3[m]×4[m]×5[m]の直方体が召喚される。【コンテナハウス】をイメージして召喚したので、入口がシャッターになっている。『野営用の食料』を消費すると、シャッターを開け、【登戸研究所】で支給された寝袋を使う。
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翌朝、【コンテナ】を亜空間に戻し、相模原から『橋本』、【八高山】へと向かう。
午前10時頃。突然、空からの猛攻。【八咫烏天狗】が現れた。黒い羽状の魔力が雨の如く降り注ぐ。
「顕現せよ、黒キ楯!そして、【重力の軛】を発動!」
黒い羽の雨は、楯に吸収されるが、【八咫烏天狗】本体は吸収されず、黒翼を左右に広げ、空中に直立し、こちらを睥睨していた。
「我が領域にようこそ、侵入者よ。そして、我が眷属を封印せし者よ、何故この地に足を踏み入れた?」
「貴公は、強者との、【鞍馬天狗】からの紹介だ。」
「カァーッ、カッカッカッカッ。成程。覚悟は出来ているようだな。良かろう。我と死合え!」
戦闘開始。
「出でよ、【鵺】!【鎌鼬】を発動!」
【八咫烏天狗】は、自分の羽を束ねた、【芭蕉扇】と名付けた扇で逆風を起こす。
「アルカナ!アルカナ!無風!無風!」
鵺の技能【鎌鼬】は相殺されて凪となり、【八咫烏天狗】は、空中から【縮地】を使い、一瞬で間合いを詰めて、鵺の懐に入る。
背負い投げ一本。
「ギィーッ!ギィーッ!ギィーッ!」
鵺は、一瞬で倒され、魔素となって霧散すると、霧散した魔素は、型紙へと戻っていく。
式神は、倒されても術者が死なない限り、死にはしないが、一度倒されると、再度召喚するまでには、冷却時間が生じる。
「どうした、小僧。お前の力はこの程度なのか?」
「つ、強い……。だがッ!」
ここで立ち止まってしまえば、勿論、【九尾の火狐】に挑むことは出来ない。
【八咫烏天狗】にも必ず弱点があるはずだ。
カラスの弱点?隼等の猛禽類?手持ちにいないので、却下。
やはり、片翼を削ぐことで、左右の均衡を崩すのが定番か。
相手の攻撃は、黒キ楯で防げるが、飛行能力を有する相手に、こちらも有効な攻撃手段はない。拮抗状態だ。
先に、拮抗状態を打破したのは、【八咫烏天狗】の方だった。【八咫烏天狗】は、木から木へと飛び移り、いつの間にか背後に回り込んで、奥襟を掴んでいた。背後の敵を蹴るが、同時に裾払い。かろうじて受け身を取ることに成功する。
【八咫烏天狗】は、上空から見下ろして、高笑い。
「カァーッ、カッカッカッカッ。その程度の力で我に挑もうなど、片腹痛いわ。」
「くっ、黒キ楯をアイギスに変更!石化光線!」
石化光線が命中し、片翼を削ぐことに成功する。片翼が石化したことで、左右の均衡が崩れ、【八咫烏天狗】は、着地を余儀なくされる。
「くっ、躱し損ねたか。」
「油断したようだな。」
片膝をつき、動きの鈍った【八咫烏天狗】へと静かに歩を進め、にじり寄っていく。
【八咫烏天狗】は、魔力でできた黒い羽の攻撃を飛ばしてくるが、火属性の魔力を纏ってこれを防ぎながら、にじり寄る。黒い羽は、紫炎の鎧を貫くことなく燃え尽きていく。
「アイギスを鏡ノ楯に変更!」
黒い羽は、鏡ノ楯に反射され、【八咫烏天狗】へと向かう。【芭蕉扇】で風を起こしても、何本かは【八咫烏天狗】に突き刺さる。
「鏡ノ楯を黒キ楯に変更!【重力の軛】の前に跪け。」
【陰陽術】の護符を手にかざすと、【八咫烏天狗】は、纏っていた瘴気とともに、黒紫色の魔素へと変わり、白紙の護符へと吸い込まれていった。
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│八咫烏天狗との戦闘に勝った。│
│八咫烏の風切羽を入手した。 │
│烏天狗の仮面を入手した。 │
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