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別次元の領域(2021年版)  作者: 草茅危言
第弐章 登戸研究所編
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第26話 空からの猛攻

 【蛇蝎森林公園】で、【メデューサ・ゴルゴン】を楯に吸い込む形ではあるが、眷属化?することが出来たので、銅貨2枚を支払い、モノレールに乗って、【登戸研究所】に行き、蒐集した薬草の鑑定を待つ。


 結果、銀貨8枚を獲得し、現在の残高は、金貨14枚、銀貨24枚、銅貨19枚。他にも戦利品として入手した、【般若の仮面】と【義眼型レーザーポインター】を鑑定して貰い、次の結果を得る。


――――――――――――――――――――――――――――――


【般若の仮面】

装備時、武力が上昇する。


【義眼型レーザーポインター】

クラス4のレーザーポインター。


――――――――――――――――――――――――――――――


 【武力】とは、武術攻撃の威力と考えて構わない、とのこと。


 しかし、全てが繋がっているのだと感じる。巨大蜘蛛を(たお)して、それが八岐大蛇の贄となり、八岐大蛇の加護である【蛇語上級】が、【メデューサ・ゴルゴン】戦で役に立ち、今度は、その【メデューサ・ゴルゴン】の石化能力を使って、【九尾の火狐】を討伐しようというのだから。


 常井学長の今週の3コマ分の報酬として、銀貨12枚を渡される。現在の残高は、金貨14枚、銀貨36枚、銅貨19枚。また、次回の講義は2週間ある、というので、以前、【鞍馬天狗】の話に出てきた、【八咫烏天狗】との契約に挑戦してはどうか、という。


「契約には色々とあるが、人間同士なら、【アンダの誓い】という義兄弟の契りがあって、互いの皮膚に直接【刻印術】で術式を付与する。」


 『アンダの誓い』というのは、確か昔のモンゴルの慣習で、盟友同士が、互いの血で入れ墨をする、と聞いたような・・・。


「『カラス』には、2種類ある。一つは『烏』で、眼と体の色が共に黒で同系色のため、眼が無いように見えることに由来する。もう一つは『鴉』で、ガーという鳴き声から、牙という偏を付けたことに由来する。どちらも【八咫烏天狗】の眷属だが、最近は、増殖しすぎて、害鳥駆除の対象となっている。道中、【陰陽術士】としては、極力、駆除依頼を受けてほしい。」


――――――――――――――――――――――――――――――


[討伐依頼] 烏、及び、鴉の討伐

・場所:【陸番道路】

・条件:護符に封印し、型紙化された状態

・報酬:1羽につき銀貨3枚


――――――――――――――――――――――――――――――


「護符に封印し、型紙化した状態のまま納品してほしい。召喚して、式神として眷属化するのは、こちらで行う。調教すると、伝書鳩の代わりになるので重宝している。」


「この世界の通信手段というわけですね。」


「この世界には、君たちの世界でいう、携帯電話、自動車、テレビは存在していない。享受する利益よりも、もたらす弊害の方が多いからな。但し、公衆電話は存在するぞ。テレフォンカードを差し上げておこう。交通系ICカードのようなチャージ式だ。【登戸研究所】は勿論、駅や図書館や読書喫茶には、パソコンのようなものと、公衆電話とテレフォンカードのチャージ専用機がある。」



 テレフォンカードを貰った。



「あと、これは私からの餞別だ。君とは高度な学術的会話を愉しめる、数少ない存在だ。贈り物としては如何なものかと思う程の粗品だが、是非受け取ってくれたまえ。何かの役には立つだろう。」



 黒曜石のナイフを貰った。



「『川崎市営地下鉄』で、『川崎』か『新川崎』まで戻り、別方面に分岐している路線に乗ると、『相模原市』まで直通だ。【八咫烏天狗】は、【八高山】に出現するという。『相模原市』から、【陸番道路】沿いに行けば、いいだろう。」


 【八高山】は、この世界版の『八王子』+『高尾山』のようだ。


――――――――――――――――――――――――――――――


 銅貨8枚を消費し、『川崎市営地下鉄』に乗り、相模原に到着する。現在、午後1時頃。残高は、金貨14枚、銀貨36枚、銅貨11枚。


 常井学長に支給された、『野営用の食料』を消費する。中身は・・・竹皮で包まれたわさびにぎり&生姜、乾燥芋、食用煮干し、ブルーベリーの飴等。


 その後は、「相模原市」の拠点で、情報収集する。この世界の【街田】―表世界の『町田』と区別するためにこう書くらしい―付近で、『烏』か『鴉』かは分からないが、『カラス』を見掛けた模様。


 八咫烏は、足が3本で、表の世界では、神武東征を導いたとされる所以(ゆえん)から、

吉兆とされるが、かつての朝敵側が治めるこの地では、逆に、凶兆とされる。それでも2600年も経ったので、あまり気にしてはいないらしいのだが。


 【陸番道路】は、相模原から『橋本』、【八高山】へ向かう方面と、反対に、『古淵』、『相模大野』、『つきみ野』を通って、【肆番道路】と交差する方面がある。


 『カラス』の討伐依頼を遂行するため、後者の方向へ【陸番道路】を進み、【街田】方面に向かう。午後4時30分頃、現地に到着。三羽烏が出現した。


「出でよ、【(ぬえ)】!【鎌鼬】を発動!」


 (ぬえ)は、風属性系統の技能(スキル)【鎌鼬】を使えるようだ。三羽烏は、羽を切り刻まれ、左右の均衡を崩され、飛行能力を奪われる。羽はまたすぐに生えてくるらしいが、暫くの間は飛翔できまい。


 あっという間に、三羽烏は、3枚の護符に封印され、護符は3枚の型紙となった。


 今度は来た道を逆方向へ。午後8時。今日はもう遅いので野営。


「【コンテナ】召喚!」


 3[m(メートル)]×4[m(メートル)]×5[m(メートル)]の直方体が召喚される。【コンテナハウス】をイメージして召喚したので、入口がシャッターになっている。『野営用の食料』を消費すると、シャッターを開け、【登戸研究所】で支給された寝袋を使う。


――――――――――――――――――――――――――――――


 翌朝、【コンテナ】を亜空間に戻し、相模原から『橋本』、【八高山】へと向かう。


 午前10時頃。突然、空からの猛攻。【八咫烏天狗】が現れた。黒い羽状の魔力が雨の如く降り注ぐ。


「顕現せよ、黒キ楯(シュヴァルツシルト)!そして、【重力の(くびき)】を発動!」


 黒い羽の雨は、楯に吸収されるが、【八咫烏天狗】本体は吸収されず、黒翼を左右に広げ、空中に直立し、こちらを睥睨していた。


「我が領域にようこそ、侵入者よ。そして、我が眷属を封印せし者よ、何故この地に足を踏み入れた?」


「貴公は、強者(つわもの)との、【鞍馬天狗】からの紹介だ。」


「カァーッ、カッカッカッカッ。成程。覚悟は出来ているようだな。良かろう。我と死合え!」


 戦闘開始。


「出でよ、【(ぬえ)】!【鎌鼬】を発動!」


 【八咫烏天狗】は、自分の羽を束ねた、【芭蕉扇】と名付けた扇で逆風を起こす。


「アルカナ!アルカナ!無風(ムフー)無風(ムフー)!」


 (ぬえ)技能(スキル)【鎌鼬】は相殺されて凪となり、【八咫烏天狗】は、空中から【縮地】を使い、一瞬で間合いを詰めて、(ぬえ)の懐に入る。


 背負い投げ一本。


「ギィーッ!ギィーッ!ギィーッ!」


 (ぬえ)は、一瞬で倒され、魔素となって霧散すると、霧散した魔素は、型紙へと戻っていく。


 式神は、倒されても術者が死なない限り、死にはしないが、一度倒されると、再度召喚するまでには、冷却時間(クールタイム)が生じる。


「どうした、小僧。お前の力はこの程度なのか?」


「つ、強い……。だがッ!」


 ここで立ち止まってしまえば、勿論、【九尾の火狐】に挑むことは出来ない。


 【八咫烏天狗】にも必ず弱点があるはずだ。


 カラスの弱点?(ハヤブサ)等の猛禽類?手持ちにいないので、却下。


 やはり、片翼を削ぐことで、左右の均衡(バランス)を崩すのが定番か。


 相手の攻撃は、黒キ楯(シュヴァルツシルト)で防げるが、飛行能力を有する相手に、こちらも有効な攻撃手段はない。拮抗状態だ。


 先に、拮抗状態を打破したのは、【八咫烏天狗】の方だった。【八咫烏天狗】は、木から木へと飛び移り、いつの間にか背後に回り込んで、奥襟を掴んでいた。背後の敵を蹴るが、同時に裾払い。かろうじて受け身を取ることに成功する。


 【八咫烏天狗】は、上空から見下ろして、高笑い。


「カァーッ、カッカッカッカッ。その程度の力で我に挑もうなど、片腹痛いわ。」


「くっ、黒キ楯(シュヴァルツシルト)をアイギスに変更!石化光線!」


 石化光線が命中し、片翼を削ぐことに成功する。片翼が石化したことで、左右の均衡(バランス)が崩れ、【八咫烏天狗】は、着地を余儀なくされる。


「くっ、(かわ)し損ねたか。」


「油断したようだな。」


 片膝をつき、動きの鈍った【八咫烏天狗】へと静かに歩を進め、にじり寄っていく。


 【八咫烏天狗】は、魔力でできた黒い羽の攻撃を飛ばしてくるが、火属性の魔力を纏ってこれを防ぎながら、にじり寄る。黒い羽は、紫炎の鎧を貫くことなく燃え尽きていく。


「アイギスを鏡ノ楯(シュピーゲルシルト)に変更!」


 黒い羽は、鏡ノ楯(シュピーゲルシルト)に反射され、【八咫烏天狗】へと向かう。【芭蕉扇】で風を起こしても、何本かは【八咫烏天狗】に突き刺さる。


鏡ノ楯(シュピーゲルシルト)黒キ楯(シュヴァルツシルト)に変更!【重力の(くびき)】の前に(ひざまず)け。」


 【陰陽術】の護符を手にかざすと、【八咫烏天狗】は、纏っていた瘴気とともに、黒紫色の魔素へと変わり、白紙の護符へと吸い込まれていった。


┌──────────────┐

│八咫烏天狗との戦闘に勝った。│

│八咫烏の風切羽を入手した。 │

│烏天狗の仮面を入手した。  │

└──────────────┘

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