5/5
わかり得ない
ハンリョの隣にジイヤを埋めるとそこに小さな樹の芽を植えた。
ハンリョと同じ樹。
いつか2つは寄り添い、次第に1つの樹になるだろう。
シサイがそれに水をかける。
この樹はいつか大きくなり、伐られる。そしてそれを分け合い、新しい道具を作るのだ。
ありがとうございました、と口にするまでもなく、誰もが本気で感謝した。
そして皆、自分の家に帰る。
一度その樹に背を向けたら振り返らずに家まで帰る。そういうルールだ、と口にするまでもなく、誰もが絶対にそうしてきた。
私を神だと言う人は少なくはない。しかし私は神ではなく、オミである。私も時に憎しみを持ち、望んだ相手を助けられないことがある。
しかし、善くあろうとせず、悪くあろうとせず、私らしくあれば、"ある"のだ。
それ以上のことは私にはわからない。