思い出堂(仮)
突然ですが皆さんはこれまでの人生の中でたくさん思い出がありますよね?
良いことも、悪いことも、、、
中には思い出せない思い出とかも。
このお話は思い出堂に立ち寄った人たちのお話になります。
、、、、、ようこそ思い出堂へ、、、、、、
ー2020年 11月下旬の東京ー
19時が回り外はもう寒さでコートを着込んだ人たちが急ぎ足で帰宅をしている。
今宵の迷い人は仕事でミスをしてしまい残念をしている〝彼゛の思い出を見て行こうと思います。
「はぁ〜まだ終らねー疲れたー」と言って大きく伸びをするのは今の会社に入って8年目の上杉 祐也 結婚はせず毎日家と会社の往復で趣味もこれと言って特になし。
どこにでもいる普通のサラリーマンだ。
そんな彼が仕事の疲れから休憩を取りに外に出る
首に黒のマフラーポッケに手を入れ帰宅する群衆とは逆の方に歩いていつもお世話になってる定食屋<花光>と書いてハナミツにご飯を食べに行く。
ピンと立った白米に油で光ってる豚の生姜焼きの臭いが疲れた体と頭に刺激的で余計にお腹が空き、即行で食べ終わって熱いお茶をすすり店を出た。
早く戻るのも嫌なのでゆっくり会社に戻ろうといつものルートとは違うルートで戻った。
すると見たことないその場に似合わないお店があった。
見た感じはアンティークショップの様な店だ。
いつもなら気にしないで通り過ぎるのに何故かこの日はこの店が気になり入ってしまった。
店内は外から見るよりは広く、薄暗く、ランプの人がポツポツと付いてるだけで誰もいない。
ネックレスに絵画、オルゴール、アンティックドール、お皿に、鏡と色々な物が置いてある中でその場所には合わない物が置かれていた。
薄茶色く汚れた野球ボール
そのボールをマジマジと見、手に取ろうとした瞬間
「いらっしゃいませ」
冷やかな声が後ろから聞こえて来たので思わず手を引っ込め
「すっすみません!あの、こんなお店があったとか知らなくて今日この前を通ったら気になってしまい入ってしまいました」
慌てて振り返って見てみるとスラッとした黒髪のストレートロングのつり目の美人な人が立っていた。
(このお店に似合う人だなぁ)って見ていると
「大丈夫です。所でお客様先程そのボールを手に取ろうととしたように見えたのですが?」
「はい。なんだかこのボールに見覚えがあって、、、。俺昔野球部だったからさ」
「そうですか。ではそのボール持って見ては如何ですか?昔を思い出すかも知れませんよ?」
「良いんですか?!有難う御座います。」と言ってボールに手を伸ばしたら眩い光が襲い、タイムスリップしたみたいに中学の部活をしている最中に記憶が飛んだ
「お疲れ〜上杉ナイスホームラン!」
「え?あっあぁ有難うお疲れ」(なんだこの記憶?タイムスリップしたみたいに鮮明だなぁ。そして誰だっけこいつ?)
「今度の選抜メンバーにお前選ばれるかもな!」
「あぁ、、、」(俺は選ばれ無かった。誰が選ばれたんだっけ?)