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090.誕生(五)

 恵理は機械子宮から出ようとしていた。着装中は直立していたけど、意識がない時に横になっていたようだ。機械子宮で最初に目を覚ました時と同じ姿勢だった。いまは人間ではなくなっていたが。


 最初はマネキンのように一糸まとわぬ生まれたばかりの姿だった。しかし現在はロボット娘として生まれたばかりだった。恵理は恐る恐る自分の身体を起こした。人間だった時と違って清々しい気分になって身体にも力がみなぎっていた、何も服を着ていないような感覚があった。


 外骨格が今の皮膚になっていたからだ。元の身体の感覚は薄らいでいた。最初に機ぐるみを着せられた時、強い圧迫感と拘束感、そして性的刺激を伴う痛みがあったのは遠い記憶でしかなかった。恵理は生まれたばかりのような爽快感でいっぱいだった。


 機械子宮の中で立ち上がろうとすると、蓋が開き始めた。たしかに機械子宮に入れられた少女が出る時にはロボット娘になっているのは本当なんだと考えると、なんか感慨深かった。それになんでロボット娘になるのが嫌だと思っていたのがバカらしいとも感じていた。外に出ると銀色のよく似たロボット娘がいた。彼女が研究員七号のようだった。



 「理恵さん、誕生おめでとうロボット娘に! はじめまして、私はクレアです!」


 七号の本当の名前はわからないけど今の名前はクレアというようだった。人間だった時の名前はここでは関係なかった。


 「ありがとうございます、クレアさん。わたしロボット娘になれてうれしいです!」


 そういって二体はハグをした、ロボット娘同士として。

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