089.誕生(四)
恵理は身体は自分の生身が強烈に拘束感を感じていたのが緩和していくのがわかった。包み込んだ機ぐるみが自分の身体の一部と認識するようになったからだ。人工筋肉は私をロボットとして活動させてくれるものだし、外骨格は外部からの衝撃を防ぎセンサーを通じて外部情報を教えてくれるものであった。
「そうね、あなたはロボ娘として生まれ変わったのよ。あなたは気に入ってくれるはずよ。気に入ったら人間の娘に戻るだなんて思いたくなくなるわよきっと」
人間の娘に戻る? その言葉に違和感を感じた。いまはロボットになったばかりだから、そう考える事が出来なかった。
「理恵さん、起動準備出来たようだから機械子宮から出て」
研究員七号はそう言ってくれた。ふと私はこんなことを思った。彼女はロボット娘といっても人間の名前があるのではないかと。
「七号さん、人工筋肉稼働まで一分前です。ところであなたのお名前ってなんといわれるのですか?」
「名前? そうよねえ七号ってどうしてそういうのか疑問に思ったのよね」
「そうです! だって、あなたも私のように人間の女の子を素体にしたロボット娘ですよね? そしたらあるはずでしょ、人間だった時の名前が」
「まあ、そうね。七号って言っていたのはあなたがロボット娘化に失敗する可能性があったからよ。この七号っていうのは、このラボで製造されたロボット娘七番目という意味なのよ。ちなみにあなたは十一号だけどね。
「じゃあ、教えてくれません?」
「それはね、機械子宮から出てからね。出たら正式にロボット娘の仲間入りだからね」
恵理がロボット娘として誕生する瞬間がやってきた。




