073.機械子宮(六)
機械子宮に入れられた被験者の身体は徹底的にスキャンされ、どのように器具を挿入して機械と一体化する作業をシミレーションしていた。この町で秘密の計画を推進している研究機関は、人類の身体を機械と融合される事で新たな人類を創造する技術の確立を目的としていた。もっとも、先天的に機械と融合した人類を誕生させることは、まだ不可能なので既存の人類を改造することにしたわけだ。いわゆる改造強化人間というわけだ。
従来のネオニムロッドなどは衣装のように羽織るタイプであったが、彼女にこれから施されるのは、完全な融合であった。ただし、元の肉体に不可逆的な改変は行わないとしていた。つまりは、彼女は特殊な手段を用いなければ脱ぐことの出来ない機ぐるみに閉じ込められるというわけだ。
液体の中に浮かぶ恵理の肉体は、これから機械融合人類の内臓にされるための処理が行われるわけだ。外骨格と内臓の間には人工強化筋肉と関節が装着され、内臓は外骨格に覆われても生命維持が出来るように器具を挿入され、外観はロボットそのものに生まれ変わる。彼女の運命は決したわけである。
「こうしてみると、可愛い顔をしているわね、この娘は。でもね、機械に覆われると可愛い機械娘になるわよ」
研究員七号は恵理がどんな機械娘になるのかを想像してワクワクしていた。




