070.機械子宮(三)
恵理は自分の姿に唖然としていた。イメージとして送られてきたのは、全身の毛が無くなり、薄い膜のようなモノで覆われた姿だ。この状態で、この忌々しい機械子宮から出ても恥ずかしいだけでしかないと。それで、別の方向に考えをそらそうとした、。
「それにしても・・・機ぐるみだけど男は着ないの?」
研究員七号に何となく聞いてみた。今の男女同権の時代に女ばっかり改造する意味が分からないと。すると研究員七号は画面に男性型機ぐるみを見せてくれた。
「男は別のラボで研究しているわ。実は男性型はずっと昔から研究しているんだけど、うまくいかなくてね。ほら、男ってアソコの処理が難しいのよ。それに、此処だけの話、機ぐるみの人工筋肉は女性の身体に融合させる方が能率が良いのよ!」
確かに、インターフェイスを通じて得た知識でも女性の身体の方が効率が良いとあった。資料によればパワードスーツの開発でアメリカ国防省は油圧制御によるパワーソースを実用化しようとしたが、上手くいかなくって。日本では人工筋肉によるパワーソースを実用化したという。
ただ、欠点もあって人工筋肉は一種の生体組織なので、作動するためには人間の血液によるエネルギー源、つまりは糖類や脂肪の補給が必要であった。それで人工循環装置も開発されたそうだけど、手っ取り早い方法として生きている人間の身体に融合、つまりは血流を連結させる方が能率が上がるのを発見したんだという。だから機ぐるみは人工筋肉による装甲服ということらしかった。
「でも、なんであたいなの? クラスにはアスリートみたいなのがいるのに」
「それはね、あなたが平凡だからだよ。フツーの女の子をロボ娘にしてどこまで能力が上がるのかを実証するわけよ!」
その答えからすれば、恵理は自分という人間は、そのままではたいしたものではなかったと、言われた気がして嫌な気分になった。




