067.水槽へ!
その直後、恵理が閉じ込められた空間に得体のしれない液体が注入され、水槽のなかのようになった。最初溺れ死んでしまう! と思ったけど、不思議な事に肺がその液体に満たされると苦しくなくなっていた。その液体を介して酸素が供給されているようだった。
水槽に入れられた恵理は意志を持たぬ人形のように漂っていた。
「一体何をしたのよ!」
インターフェイスでコミュニケーションが取れる事が分かったので、恵理は研究員七号にメッセージを送った。
「その液体は、、あなたの全身脱毛と皮膚の洗浄強化のためよ。あなたはいいわよ、私の時は実証と称して意識があるまま措置を受けたんだから。だって、髪の毛が面白い様に抜けていったからね」
そういって笑っていたけど、研究員七号も内臓が人間のようだというのだけはわかった。でも、本当にをモノ扱いして嫌な気がした。
その時、水槽にいる恵理の現在の身体の映像が脳内に送られてきた。自分の姿が本物のマネキンのように変わり果てていた事にショックを受けた。表情もないし全身がペールピンクに染まっていた。マネキンそのものであった。
「これで素体処理は完了、そのあとで下剤を投与してお腹の中身を出してもらったわよ。そこの場面はスカトロ映像だから割愛するわね。そして今あなたは機械子宮に入れたのよ。
その機械子宮というのは外側は銀色のタンクをしているけど、中は柔らかい素材の内張をしているから気持ち良いでしょ」
研究員七号の説明に恵理は混乱した。機械子宮って、なによ! と。すると答えてくれた。
「だから、今いるところのことよ。これから機ぐるみとあなたを融合する装置よ! 準備ができ次第あなたは生まれ変わるのよ! そこから出る時はロボット娘にしか見えない姿になっているわよ、あなたはね!」
研究員七号は不気味な響きが籠った声色のように恵理は感じた。




