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057.落ちて行く意識

 「こんな機械になってしまう衣装なんか着ないわよ! いやあ!」


 身体の自由が利かなくなってきた恵理は精一杯虚勢をはった。しかしだんだんと声すら出せなくなっていった。そして目を見開いたまま屍のようになっていた。そんな状態の恵理を工作員は身体を嘗め回すように見つめていた。


 「チーフ、彼女は素材として適していますね。早くラボに運びましょう!」


 その黒い工作員の顔の真ん中を占めるものは、カメラのファインダーみたいなものが蠢いていた。それは恵理の身体をスキャンしているようであった。


 「さあ、行きましょうね! これから素敵な衣装を着せてあげますから! フツーの高校生のあなたはいなくなるのよ! 金城恵理さん!」


 綾先生の狂気を感じる声に対し恵理は一切の反応を示すことが出来なかった。その時の彼女は素材でしかなかった! もう何かを選択するのは許されなかった。


 ストレッチャーに乗せかえられて何処かへと運ばれ始めた。シーツは掛けられていなかったので視界は開かれていたが、見えるのは無機質な天井だった。このとき奇妙な静寂に包まれていた。そのあと綾先生と工作員とのやり取りが耳に入ったが、内容を理解することができなかった。急激に彼女の意識レベルは降下し、終いには無反応になっていた。

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