005.プレイ! 鋼夜叉(1)
後で聞いた話であるけど、鋼夜叉の仮想現実はこんなふうだったという。まずVRバイザーはスキューバーダイビング用のマスクみたいになっていて、口の前がマスクで覆われ、呼吸管は頭頂部にある呼吸口へとつながった。そして目の前は呼気が漏れないので曇らないようになっていた。そしてプレイが始まるとキャラメルママの店内から仮想現実の画像へと変わった。
鋼夜叉の世界観の設定はざっといえばこんなものだ。地球人類を捕獲し戦闘マシーンに改造し銀河中に売りさばいている悪徳エイリアンに捕まったプレイヤーが、自由を求めて戦うというものだ。プレイヤーは個々の能力値設定を戦闘を通じて上げていく事で、戦闘マシーンのグレイドがアップするにしたがい、戦い方も変わるというモノだ。
そのステージにどんなものがあるのかは分からないが、その日やったのはこんな設定だったという。なお設定は目の前のバイザーに表示されるとともに耳元でサウンド付きでナレーターが流れていたという。それによると、身体を改造され戦闘マシーンにされた理恵は、電脳化されたのち自我の書き換えが行われる前に脱走、地球へ帰還するための旅に出た。その途中で様々な試練に遭遇する。今日のステージは同じ脱走戦闘マシーンが跋扈する町を抜ける事! 制限時間は10分! というものであった。