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038.移動
現代文の授業の間もクラス内のざわつきは収まらなかったが、現代文の教師はお構いなく授業を続けた。ロボットがいるのが当たり前のような態度だった。二時限目は選択授業なので別のクラスとシャッフルされた。どうやら他のクラスでも恵理のことは伝えられているようで、教室を移動する際にも注目を浴びていた。
僕は恵理と選択が一緒だったので彼女の後ろを歩いていた。その時違和感があったのだ、その歩き方がやっぱり恵理と一緒だった。
二足歩行のロボットは水平なら規則正しく動きそうなものなのに、そのロボットは恵理の癖のある歩き方と一緒だった。彼女は骨折したかなんかで左足を少しひこずる様な仕草があったが、そのロボットも一緒だ。
「金城さん、ロボットにされて大丈夫なの?」
事情を聞いた他のクラスから来た女子が恵理に話しかけてきた。すると恵理を名乗るロボは何かを言おうとしたのに人工音声が出なかったのだ。そしてしばらくするとこんな風に答えた。
「順調にいっていますよ。まだ慣れていませんけどね」
でも、答え方は棒読みのような雰囲気があった。




