036.ホームルーム
教室に入った時、クラスメイトからは特に注目されなかった。それは最後に急いで入ってきた奴が思いきりコケたから。それに恵理の席は廊下側の後ろの方なので、教壇を横切ったりしないから、気が付かない生徒が多数だった。
恵理はクラスの中の女子の中でも目立たない存在のはずだったが、ロボットになっていることに気付いた同級生たちはざわついていた。近くの席の連中はなにやらコソコソ話をしていた。それは人間でない姿の同級生がいる事に気が付き始めたからだ。ちなみに僕の席は教室の一番後ろの中央だったのでクラスの様子が一望できた。
ホームルームが始まる時間になって、担任の綾先生が来た。彼女の担当は生物であるが、クラス全員が選択しているわけでないので授業を受けた事がないのもいた。つなみに彼女のフルネームは綾恵梨香でスタイルも良くて顔はそれなりの美人だが、僕からすればなにか影を感じる事もあった。挨拶もそこそこに静かにするようにといわれた。
綾先生は何を口にするのか、教室中の生徒の注目があつまっていた。その話題は理恵に関する事であった。いったいぜんたい何が起きたのだろうかと。
綾先生は出席簿をまず読み始めた。その日は欠席者がいなかったので全員の名前に返事があったが、”金城恵理”と読み上げた時の返事に教室内の全員がざわついていた。その声はまるでスピーカーから出されたかのように聞こえたから。




