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035.駆け上がるロボ

 近年、少子高齢化に伴う労働力の不足を補うため、海外からの労働者だけでは足らないとして急速にロボットが使われるようになっていて、中には人間と見間違えるようなアンドロイドが働いている事も珍しくないけど、あえて機械というのが分かる様なロボットというのは趣味か廉価版ぐらいしかないはずだった。


 でも、昨日あれだけ人間が着用すればロボットのようになるのを見せられた後では、その認識も変えなければならなかったが。


 しかし、恵理だと名乗るロボの顔はメタリックな金属の美しい光沢を放っているようなのは、安物ではないかと思っていた。またネオ・ニムロッドよりも完成度は高そうであった。


 「それはねえ、鈴木君。いまは教えないわよ」


 そいつは僕を見つめながらいった。よく見ると呼吸をしていないようで、代わりに冷却用のファンでも回っているような微かな動作音がしていた。それは、古いパソコンのような音で規則正しいリズムを刻んでいた。


 「なぜ?」


 僕は彼女を見つめていた。彼女の制服の胸元を見るとメタリックな外骨格が見え、ブラウスの胸は大きく膨らんでいた。それは目の前のロボットが女性型であると主張しているかのようであった。


 「早く行かないと遅刻するからわよ! 早く!」


 言われてみれば、たしかにそんな時刻だった。それでダッシュを始めたが、僕の足取りはバタバタしているのに対し、恵理は機械的な一定の歩行パターンで坂道を駆け上がっていった。

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