033.あいさつ
ロボットが登校している? そういうと目ぼけただけと言われるのが関の山だけだが、その時目の前にいたのはロボットだった。本当は無視すればよかったのだが、向こうの方から声をかけてきた。彼女の顔はシルバーのメタリックな顔だったが、なんとなく見た事があるようなないような気がした。
「おはよう、鈴木君!」
クラスの雑魚ギャラの俺に声をかける女はそういないので、心当たりはないでもなかったが、ロボット関係にそんな奴なんていないので。
「おう、ところでお前誰だ?」
俺は当然の答えを返した。未来は知らないが現代の日本にロボットが登校している学校なんて、想像もできないから。
「失礼ね! あなたに挨拶する女子といえばあたいよ!」
あたい! 知っている女でそう自称する女は一人しかいないから、心当たりはあった。
「ロボットに知り合いなんていねえぞ! それにロボットって学校に通うんかよ!」
こんな朝になるのなら、もっと早く登校すればよかったと後悔していた。新学期からロボットに絡まれたなんてシャレにもならねえし。
「あー! ひどいー! でも仕方ないか! あたいよ、あたいは金城恵理よ!」
その名前はクラスメイトの一人だったけど、ロボットじゃねえだろ、少なくとも一学期は!




