029.XB002改
いまから一週間前と同じように僕は里中とキャラメルママの中にいた。そして「鋼夜叉」の前にいた。聞いた話ではこの町の郊外にある唯一のショッピングモールにも「鋼夜叉」が複数設置されたといい、連日大勢の利用者がいるという。そのせいか、こちらの方は利用希望者は少ないようだった。
「おこしいただきありがとうございます」
そう声をかけてきたのはガイノイドⅩB002改だった。この機体だけが店内にいるだけのようだった。
「なんか嫌だなあ、あんなロボットだらけになるなんて考えたら、虫酸が走るぜ」
里中は嫌悪感を持って話した。もしこれが人間だったら注意しないといけないかもしれないが、相手が機械だったらしかたないかもしれない。でも気になっていたことがあった。この店にいたはずの人間の店員の梅ちゃんだ。
彼女は顔は年相応だったがスタイルは若い娘のようだった。その梅ちゃんとXB002改が重なって見えたのだ。ボディラインがである。もしかすると梅ちゃんが機ぐるみを着ているのではないかと想像してのだ。
「すいません」
「なんでしょうか?」
僕はXB002改に声をかけ呼び止めた。正面から見ると梅ちゃんがよくとる様なポーズをしていた。
「実は、あなたの内臓って梅ちゃんじゃないですか?」
その問いかけにXB002改の動きはフリーズしてしまった。




