022.内臓への質問
機ぐるみの内臓を募集というのを聞いた多くの生徒は今日の課外授業の目的がわかった。被験者を募っているのだと。そんな募集に応じる人間はいないと思ったが、次のような事を聞いて心動かされていた者もいたようだ。
「被験者になっていただくのはボランティアではありません、それ相応の対価を支払いますし、将来わが社で正社員として採用させていただきます」
お金と職、それを聞いた生徒の何割かは将来の事を考えた場合、有利になると判断したのかもしれない。しかし中には機ぐるみに魅せられた生徒もいたようだ。教室の前にいる四体の機械化されたネオ・ニムロッドに釘付けになって質問している者がいた。そこで、どんな話をしているのか気になったので前に行ってみた。すると横には諸積が真剣な顔をしていた。そういえば「鋼夜叉」に夢中になっていたひとりだ。
「そのスーツって暑くないのですか?」
たしかにネオ・ニムロッドは全身をメタリックで硬質な素材で覆われ、関節部も球形もしくは蛇腹状のゴムのようなパーツになっていた。普通なら体温が籠りそうであった。
「暑くはありません。たとえるなら海水浴で水の中にいるみたいですよ。これからの時期は、このスーツを着て過ごしたらいいですよ、冷房いらずですわよ」
そんなふうに、女性型ネオ・ニムロッドの内臓は話してくれた。




