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020.誰もがロボットになれる社会

 全身タイツのようなモノを纏った二人は人間のように見えず、マネキンのようであったが違和感があった。体形がマネキンのように均整がとれたものではなくどこかの中年男女のような体形だった。お腹がでているなど一般人を使ったようであった。でも、これっていったいどういうことなんだろうか?


 「我々のミッションでは選ばれた人間を機械人類にするのではなく、いかなる人であっても対象にできるように開発しています。理想としては人類すべてが希望すればポストヒューマンになれるような社会を目指しています。

 ですので、ここの二人は我々の研究に賛同していただいた、この町のとある住民です。今日のここに来ていただいたのは、我々の初期型のご紹介です。いわゆる”従来型機ぐるみタイプ”です。簡単にいえば美少女着ぐるみを着れば、男女に関係なく美少女人形のようになれるように、誰もがロボットになれる社会実現の為のスーツです」


 白幡の熱弁に生徒たちはドン引きだった。着るだけでロボットにされるという嫌悪感があったからだ。しかし白幡の指示で全身タイツを着せられた男女はおもむろに動き出した。その二人は人間として顔という個性を否定され、服を着るという自己主張を否定された存在であった。

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