018.ネオ・ニムロッド
紹介された「ネオ・ニムロッド」というのは、説明では「ドレス」のように着用することで外観だけでなく普通の人間をロボットのように人智を超えた能力を発揮できるのだという。しかも着ぐるみもしくは機ぐるみといった従来のものとは違い、長時間、場合によっては数年単位で着用しても身体的影響がないというものだ。でも、なぜこんな田舎町で実験している理由については教えてくれなかった。
白幡が呼んだ「ネオ・ニムロッド」型パワードスーツを着たのは男女一体ずつであった。このスーツは男女両方があるようだ。しかし、外見はロボットにしか見えなかった。
「それでは質疑応答いたします。発言したい方は挙手をお願いします」
白幡はそういったが、生徒は誰一人手をあげようとしなかった。ほぼ全員があっけにとられていたからだ。すると、一人の女子生徒が手をあげた。
「本当に着れるのですか? 着てみたいのですが!」
それはクラスでも好奇心旺盛な新宅朋美だった。その言葉を待っていたとばかり白幡はにこやかにいった。
「実は、その答えを待っておりました。ただいまモニターとして体験していただける方を探していたのです。でも、すぐに着るというのは調整が必要ですので、実演させてもらいます」
そういうと、白幡は何やら合図を送った、すると廊下から集団がぞろぞろ入ってきた。




