013.ガイノイドに憧れる恵理(4)
父の鈴木拓光は根っからの職人で、自分で商品開発することも多かったただ、いま受注している製品は息子でもしゃべることはなかった。しかも、工場内はいままで開放的だったのになぜか密閉されるようになった。そのかわり空調設備が設置されたけど、その費用は発注元が負担したという。そこんところが何か怪しいと思っていたけど。
「やあ恵理ちゃん、久しぶりだね。うちの奴と来るなんて!」
「ちょっと、聞きたいことがあるのですが、ここって3Dプリンターと一緒に大型の3Dスキャナーを購入してしるのですよね?」
「へ? どうして知っているんだい恵理ちゃん?」
たしかに恵理がそういったのは不思議だった。息子でさえそんなものが工場に設置されたのか、知らなかったからだ。
「いえ、ほら幕芝重工業のトラックが止まっていたからです。あそこって3Dスキャナーを販売し始めたといっていたので、あるんじゃないかと」
「そこを見ていたわけなのかい? うちの奴は気づいていないのにすごいなあ。でなんなの?」
「実は・・・お金があったらですが、ロボットの機ぐるみって作れないかなと」
「着ぐるみってパンダの人形なんかの?」
「いえ、機械の機と書く方です。私の体形に合う機ぐるみって作れないかと思ったのです」
それを聞いた父は少し動揺しているようだった。




