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攻撃力最強の俺。防御力最強のお嬢様。  作者: しいたけ
     テルル
8/29

誘拐

 「今日はここに泊まりましょ♪」

 リースとホークはとある宿屋へと入っていった。


 小さな部屋にベッドが2つ。

 「私窓際がいい」

 窓際のベッドに座り、柔かさを確かめるリース。


 「あー疲れた……」

 リースはそのまま眠ってしまった。

 「よっと……」

 金貨をベッドの下へ置き、ホークはトイレへと向かった。




 ホークが用を足して部屋へ戻ってくると、

 リースの姿は無く机にはリースのブーツが

 片方だけ乗っており紙切れが挟まっていた。


 『金と女は預かった

  返して欲しければ酒場へ来い』

 裏には酒場の地図が書いてあった。


 「リース!!」

 ホークは慌てて宿屋を出る。

 辺りを見渡すが、それらしい人影も無く

 誰かに聞いても「何も見ていない」と答えた。


 「迂闊だった……」

 ホークは地図の示す場所までひたすらに走った。




 酒場に担ぎ込まれる大きな麻袋。

 中では縛られたリースがモゴモゴと暴れていた。


 ゴロツキが麻袋を開け、リースの姿が露わになった。

 酒場には8人ゴロツキが酒を飲んでおり、

 リースの姿が見えると茶化し囃し立て、下品な歓声を

 上げリースの恐怖を煽った。


 「へいへい、お嬢ちゃん。

  気分はどうだい?」

 ソファでビールを飲む超マッチョマン。


 「……おかげさまで最低よ」

 手を後ろで縛られたまま周囲を睨みつけた。


 「たまんねぇなあ〜。

  アニキ、もうヤっていいっすか!?」

 早漏そうな男が卑猥な笑みを浮かべ、リースの顔に触ろうとする。


 「触らないで!!」

 毅然とした態度で努めて冷静な顔をするリースだが、

 内心では恐怖で心が潰れそうであった。


 「まだ慌てるな。ヤるのは男をぶちのめしてからだ。

  野郎の目の前でヤるのはどうだ!」

 超マッチョマンがビール缶をペチャンコに握り潰し、

 地面に投げた。


 (ホーク! お願い早く来て!!)

 リースは心の中で強くそう念じた……。





 「しまった……道に迷ったぞ」

 その頃ホークは地図をグルグル回しながら、

 あちこちを走り回っていた……。






 「おせぇな……」

 超マッチョマンの前には潰れたビール缶が山盛りになっていた。


 (何やってるのよ あいつは!!)

 中々来ないホークにリースは恐怖より苛立ちが勝ってきた。


 「アニキ!俺もう待てないっす!!」

 早漏男が地団駄を踏む。


 「しゃあねぇ、ヤってていいぞ」

 超マッチョマンの一声で酒場から下品な歓声が上がり、

 男たちがリースへとジリジリと近づいていく……。





 「自分の身は自分で守れ……って事?」

 ジワジワとリースの怒りが溜まっていき、

 ついに頂点へと達した!


 リースは後ろに薄くて小さな丸い盾を出し、高速で回転させた。

 盾はリースを縛るロープを切り、リースの両手は自由になった。


 リースは立ち上がり、トゲだらけの大きな盾を出現させた。

 予想だにしない光景に男たちのズボンを脱ぐ手が止まる。


 「なんだなんだ?」

 大きな盾と少女に男たちは武器を取り出し、臨戦態勢を取った。


 攻撃しようにも、トゲが邪魔で対抗できない男達を1人ずつ

 小さな盾で殴っていくリース。

 盾を掴まれるも、盾が回転を始め男を吹き飛ばす。


 1人、また1人ダウンしていくのを超マッチョマンは黙ってみていた。


 最後の雑魚が倒れ、残るは超マッチョマン1人となった。

 「どう?私も中々やるもんでしょ?」

 息を切らしながらも、リースはまだ戦う意思を見せた。


 「ふん、雑魚をいくら倒したところで……」

 超マッチョマンが指を鳴らし、リースへと立ち向かった……。




 (早い!)

 超マッチョマンはリースの前まで瞬時に距離を詰め、

 渾身の右ストレートで殴りかかった!


 

 とっさにリースは丸い盾を回転させ、相手の拳に合わせる。


 超マッチョマンの拳は盾の中心を捉え、

 衝撃で盾は吹き飛ばされ消滅してしまった……。


 「いくら回転してようが、真ん中なら痛くねぇんだよ!」

 続け様にトゲの盾を掴み、リースから引き剥がす超マッチョマン。


 「これなら!」

 リースは自身からドーム状に白金の障壁を展開した。

 お構いなく障壁を殴る超マッチョマン。


 「こんな物!俺様の筋肉の前じゃあ……!!」

 何回も殴られ、徐々に凹み始める障壁。


 「まずい!このままじゃあ……」

 障壁の中でリースは必至で対抗策を考えた。





 もはやベコベコの障壁は今にも壊れそうだ。


 「そうだ!」

 リースはドーム状の障壁の半径を更に拡大し、超マッチョマンを押し始めた。


 「今更力比べってか!?」

 障壁を押そうとした瞬間、障壁が高速で回転を始めた!

 障壁を触れず、後ろに下がるしかない超マッチョマン。

 既に酒場いっぱいまで広がった障壁は弱点の上部を狙えなくなっていた。


 「ぐお……」

 遂には壁と障壁で挟まれた超マッチョマン。

 リースは新たな盾で超マッチョマンの動きを封じ、

 トドメに剣山の様な盾で、隙間から指しまくった!!




 「リース!!」

 ホークが到着した時には全てが終わっていた。

 超マッチョマンは血まみれで倒れており、

 雑魚たちは全員逃げ出していた。


 「遅刻よ!いつまで待たせるつもり!?」

 リースがホークに殴りかかろうとする。

 ホークは咄嗟に目を閉じた。


 しかし、リースの拳は止まり、頬を大粒の涙が伝う。


 「ぐすっ……! ぐすん……

  怖かったんだから……」

 リースはホークの胸で泣いた。


 「次遅れたら死刑よ!()()!!」


 「ごめん……」

 ホークは泣き止むまでリースを抱きしめた。

 

もっと文章力を身に着けたいです……。

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