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攻撃力最強の俺。防御力最強のお嬢様。  作者: しいたけ
     セレン
21/29

人質

 鉱山から脱出する頃には辺りは暗くなり始め、お互いに酷く汚れた姿は笑えた。


 一通り笑い終えた後、誰かの気配を察した2人は辺りを警戒した。


「ねぇ、ホーク。誰かに見られてる気がしない?」

「ああ、俺もそう思った所だ」


 しかし、辺りを見渡しても特に変わった様子は無い。


 すると、突然強風が吹き荒れ2人は目を開けることも出来ない程の風圧に耐えきれなくなる!


 リースは障壁を展開するも、風に飛ばされボールの様にゴロゴロ転がっていった。




 風が止み、ホークが目を開けると、そこには障壁ごとリースを持ち上げる漆黒のローブと、ローブ姿に赤いワンピースの魔女が居た。


「あんたらグルだったのね!!」


「ふふ、言ったでしょ?手段は選んでられないって」


 漆黒のローブが手から電流を放つと、リースは痺れ動かなくなった。


「リース!!」

 ホークが飛びかかろうとする。


「ふふふ」

 怪しい魔女の瞳はホークの自我を奪い、ホークは一瞬の内に従順な僕へと変貌した。


「ここより更に西のニッケル森に、幻魔結晶が1つあるわ。取ってきて頂戴な」


 魔女はホークの頭を撫で、耳元で囁いた。


「仰せのままに……」


 ホークの目は精気を失ったかの様に暗く、静かに来た道を戻っていった。



「ふふ、お嬢ちゃんの障壁が消える前に帰るわよ」


 漆黒のローブと魔女は、風と共に消えて行った……。





 フラフラとゾンビの如く歩くホーク。


 そこへシャルロットが偶然通りかかった。


「あ、え? ホークさん……?」


 異様な雰囲気を察し疑問気に声を掛けるも、ホークからの返事は無かった。


「あ、あの!」


 二度目の返事が無い事で、シャルロットはホークの異変に気が付いた。


「ホークさん!ホークさーーん!!」

 必死でホークを揺さぶるシャルロット。


「……あ、魔女……様……」

 ホークが虚ろな目でローブ姿のシャルロットを見た。


「? ホークさん、リースさんは!?」

 ホークの表情からタダならぬ気配が漂う。


「……リー……ス?」

 ホークは頭を傾げ、シャルロットをただひたすらに見つめた。


「ん?」

 シャルロットはホークのポケットに何か紙が入っているのに気が付く。


 ――西のニッケル森で幻魔結晶宜しく。殺しはしないから安心してね♪――


「……リースさんが人質と言うわけなんですね?」


 シャルロットはホークの顔を見るも、未だ焦点が定まっておらずフラフラと漂っている。


「とりあえず、ホークさんを正気に戻してから考えよう」


 シャルロットはホークの手を引き、自分の小屋へと連れて行った……。

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