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旅立ちと別れと予兆

第一章終了!これで1ヶ月!

 ルーク、マリー、カレンの三人は、ルークの鍛冶屋に戻っている。


「ここが、ルークさんのお店ですか。入りにくいですね」

「まぁな、それが売りだからな」

「それは、売りじゃないですよね。マイナスですよね」

「そこんところは気にするな」


 ルークとカレンで話していると、マリーが裾を掴んで、クイッとしてきた。


「どうしたんだマリー?」

「私、強く、なりたい。今までよりも、強く」

「強くなりたいなら、稽古をつけてやるぞ」


 ルークが提案すると、マリーは首を横に振った。


「パパは、一人でも、物凄く、強い。私も、そうなりたい。だから、旅に、出たい」

「旅って。一人で?」


 カレンが聞くと、コクッと頷いた。


「マリーを一人でか。心配すぎて、寝れなくなりそうだ」


 マリーは大切な存在だ。それを、一人で旅させるなんて出来ない。そこで、いい案を思いついた。


「一人だと不安だから、相棒を連れて行くといい」

「「相棒?」」

「そうだ。相棒だ。少し待ってろ」


 ルークがそう言って、絨毯ほどの大きさの紙を取り出し、魔法陣を書き始めた。

 

「なに、それ?」

「これはな。召喚陣だ。魔界、神界、精霊界から召喚することができ、それを仲間にすることが出来るんだ。ま、魔力の波長とか、量によって、召喚に応じる者も様々だから。本気でやれよ」

「分かった」


 出来上がった召喚陣に魔力を注ぐと、召喚陣が輝き始めた。

 マリーが、魔力をもっと注ぐ。すると、輝きは部屋全体を照らし、真っ白に塗りつぶした。


「貴方が私を召喚した者ですか?」


 そこに立っていたのは、真っ白な衣に身を包んだ天使だった。


「そう。私」


 マリーがそう言うと、天使はマリーをじっと見つめながら、周りを飛んで、マリーを抱きしめた。


「きゃーーー!! 何この子、可愛すぎるよ! 召喚に応じてよかったー!!」


 今までの、威厳があるような態度ではなく、はっちゃけている。どっちかと言うと、お姉さん的な感じだ。


「なまえは?」

「私は、七大天使の一人、命を司る天使、ミカエルよ。よろしくね」


 召喚したのはなんと、ミカエルだった。誰しもが一度は聞いたことがあるであろう。あの熾天使とも呼ばれる。ミカエルだった。


「それで、なんで召喚したの?」

「それは、俺から説明してもいいか?」

「誰よあn……。すみませんでした!!!」


 なぜか、いきなり謝られ、土下座をしてきた。


「なんで、土下座なんかするんだよ。俺は、お前なんて知らないぞ」

「し、しかし。邪神を倒した。世界の守護者のあなた様を敬わなければならないのに、本当に!! 申し訳ございません!!」

「パパ。なに、それ?」

「そのうち説明するよ。それよりも、顔を上げてくれ、説明の途中だ」


 ミカエルは、バッと、起き上がった。


「すみません!! あなた様のお話の邪魔をしました」

「いいから。で、今回呼んだのは、マリーで。マリーが旅したいって言うから、心配でな。相棒を付けたくて召喚したら、ミカエルが出てきたってわけだ。理解できてるか?」

「はい。マリー様と一緒に旅をして、見守っててほしい。そう言うことですよね?」

「あぁ、合ってる。んじゃ、これから、マリーのことはよろしく頼む」

「はい! 任せてください!」


 マリーの相棒は、熾天使であり、七大天使であり、命を司る天使、ミカエルに決まった。






 あるところでは、旅立ちの準備をしていた。


「ユリーカ。そろそろギルドに行きたいんだが、いいか?」

「はい!」


 ミカエルが召喚された三日後のお話。

 二人は、ユリーカのギルド登録をするために、ギルドに向かっていた。


「ユリーカが寝坊するから、お昼になっちゃったぞ」

「す、すみません」


 ユリーカは、顔を赤くして、謝ってきた。


「ま、いいけどな。なにも、急いでないしな」


 二人で出かけ、朝食兼おユリーカだけを食べて、ギルドに着いた。


「こんにちは」

「あら、こんにちはって! ちょっと、なんで聖女様がいるのよ!」

「カクカクシカジカで、一緒に旅に出ることになったんですよ」

「旅って。もしかして、どこかに行っちゃうの!?」

「はい。明日の朝に旅立つ予定です。一応。ユリーカのギルド登録をしたくて来ました」

「もう、なまえ呼びなのね」


 そこからは、特になにも起きず、ギルドの登録が完了した。もちろん。Fランクからのスタートだ。


「これで、ギルドの登録は完了よ」

「ありがとうございます。旅が終わったらたまに来ますから」

「本当よね!?」

「は、はい」


 気迫がとにかく凄かった。

 それからは、ユリーカと街で買い物をして、全部アイテムボックスに入れて、旅支度も終わった。そして、今は宿にいる。


「ねぇ、カルくん。次はどこに行くの?」

「次はね。強くなるためにダンジョンに潜ろうと思うよ」

「ってことは、ダンジョン都市のアンビレンスに行くのね」

「そうだよ。あそこを攻略できれば一番良いんだけどね」

「そう簡単にはいかないわよ。私は、カルくんと旅が出来れば、それで良いしね」

「ん? 何か言った?」


 カナハルムは、難聴系男子のようだ。

 ユリーカの想いはちゃんと伝わるのかな?


 翌朝。二人はギルドで、アンビレンスまでの護衛の依頼を受けて、アンビレンスに向かった。

 そこで待ち受けている大きな障害。新たなる出会い。そこには、なにが待っているのか。まだ誰も知らない。

 しかし、嵐の前の静けさは、いつしか、喧騒へと変わっていく。遠い未来であり、遠くない未来の物語。

次は第二章です。登場人物紹介を挟むかもしれないし、挟まないかもしれない。分かんないや。

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