表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/63

side〜カナハルム〜 器

今日の名言

「人生は

むつかしく解釈するから

分からなくなる。」


武者小路実篤

 カナハルムが聖女から回復魔法をかけてもらい、ゴブリンを倒した報酬を得るために、またギルドに戻ってきた。


「スーリンさん、報酬をもらいにきましたよ」

「あ、カルくん。報酬の用意ができてるよ。はい、これが今回の報酬の銀貨3枚よ」

「ありがとうございます」

「そうだ、怪我はもう大丈夫?」


 スーリンさんが心配してくれているようだ。いい人だな〜。

 カナハルムは、怪我をした方の腕をブンブン振り回して見せた。


「もう、この通りピンピンしてますよ」

「ほっ、そうですか。よかったです。そう言えば、これからどうするんですか?」

「宿を探そうかなと思ってます」

「それなら、オススメの宿屋がありますよ。地図を渡しますので、そこに行ってみてください。きっと、気にいると思いますよ」


 スーリンさんのオススメの宿屋に向かう途中、夜ご飯を買い食いしながら、その宿屋に向かった。


「ここが、その宿屋か。木造で暖かそう。それに、綺麗だな」


 カナハルムの目の前には、木造建築で作られた三階建ての建物がある。

 カナハルムが中に入ろうとした時、中から一人の女の子が出てきた。


「? もしかしなくても、お客さん?」

「そうだね、ここの宿屋に泊まりたいんだ」

「ほんとですか! どうぞどうぞ、中に入ってください。お母さん! お客さんだよ」


 女の子は、この宿屋を経営している夫婦の娘のようだ。


「こんばんは、何泊ですか?」

「一週間ほどで、お願いします」

「一週間ね。銀貨一枚と銅貨四枚よ」

「はい、これで」


 カナハルムが、お金を払うと、部屋の鍵を貰った。


「部屋は、二階の一番奥よ」

「ありがとうございます」


 ゴブリン討伐で疲れた身体を今日はいっぱい寝て、癒した。

―――――

 みんなが寝静まった夜。教会では、慌ただしく、人々が右往左往していた。


「おい! 聖女さまがいないぞ!」

「なっ!? それは本当か!?」

「夜のみんなでの食事にも来ていなかった。心配して、ご飯を部屋に運びに行ったが、そこには誰も居なかったようだ」

「そこには、手がかりになるようなものはなかったのか」


 男がそう聞くと、もう一人は、顔を俯けて首を横に振った。


「ふ〜。そうか。今日はもう遅い。明日全員で探しに行くぞ」

「あぁ、勿論だ。必ず聖女様を助けに行くぞ」




 そして、またあるところでは、


「あぁ、器の捕獲に成功しました」

「よくやったな。それで、器はどこに?」

「すでに、儀式の間に連れてきています」

「そうか、悪いが、あの部屋に連れてきてくれないか? 器か、そうじゃないかを見極めておきたい。儀式に使う魔力がもったいないからな」

「わかりました」


 男たちは、器を探している。何か適合する器を探している。

 だが、それを探すのも簡単ではない。何億、何十億といる人や精霊、獣人の中から一体を器として探さなければならないからだ。


「さて、器であることを願うが、どうだろうか」


 男は、部下が捕獲してきた器らしき人を見に、その部屋を出た。

ブックマークと感想、評価待ってます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ