魔王は聞かれる
そういえば、という顔でクラルテが聞いてきた。
「ヴェセル様!世界樹の素であまり聞いてないですけど、例の勇者のダンジョンはどうだったんですか?」
そうか。
そういえば話の途中だった。
「ダンジョンは同じで、最奥に女性もいた。」
「ふむふむ、ダンジョンは前と同じくヴェセル様を迎え入れるようになっていて、最奥の部屋に女性と勇者がいたということですね。」
「なんで会話が成り立つんだい?」
俺はクラルテにその女性について説明した。
「女性は魔王、クラルテみたく茶髪で角があった。」
「その女性は魔王で、私に似ていたんですね。」
「今回はまあ、わかったよ...」
「魔王に御守り、勇者に世界樹の素。」
「それを二人にもらったんですね。」
「勇者が世界樹の素を作った。」
俺がそういうと、二人にはびっくりしたようだ。
「えぇっ?!本当ですか?!それはいわば勇者様が伝説級ってことですよ!!」
「すごいじゃないか!それは神のみわざと言っても過言じゃないよ!」
すごいことだったようだ。
勇者があまりにも簡単に作っていたから、気がつかなかった。
そもそも俺は常識を知らないから仕方ない。
話は盛り上がり、クラルテとプロミネは話を続けている。
あの作家が書いた本が嘘だった、あの説は正しかったなど。
俺にはチンプンカンプンなことだ。
それにしても世界樹の素はどうするか?




